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レイプ目的と殺意の否定
とにかく抗うこと、抵抗姿勢を示す。そして、今回のような大きな事件となれば、徒党のように大きな弁護団を結成する。法廷に数の威力でデモンストレーションしてみせるパターンが定着していた。
それでも、法廷で彼の顔を見るのも久々だった。
麻原裁判が継続中の98年12月に、この主任弁護人が逮捕されていた。逮捕容疑は強制執行妨害。自分が顧問弁護士をつとめる不動産会社の差し押えを逃れようと、会社所有のビルのテナント料をダミー会社に移して誤魔化す指示をしたというのだ。それも、裁判所の差し押えだったという。
最後に弁護士の姿を見たのは、彼の初公判のときだった。麻原が裁かれるのと同じ、東京地裁第104号法廷。いままで麻原が座っていた場所に、手錠をして連れてこられた姿を見た時は、悪い夢を見ているようだった。
それ以来、麻原裁判にも姿を見せず、自分の裁判への対応で、それどころではなかったらしい。
結局、彼の裁判は一審で無罪となる。
再び弁護士としての活動を再開したところで、世に知られた死刑反対運動家のもとに、この手の事件が舞い込んできたのだった。
そこで、これまでの少年の主張を一変。弁護団があらためて主張したことといえば、レイプ目的と殺意をすべて否定したことだった。