ではこの時代、“辞めジャニ”を待ち受けているのは“約束された楽園”だけでしょうか。また、“自担(推し)”に辞められたファンにとって、「自担がジャニーズの肩書きを失うこと」はどんな意味を持つのでしょうか。
山下さんに限らず、“ジャニーズの肩書き”が外れると、ファンの心には様々な変化が起こります。
「あんなに支えようと思っていたのに」
私がTwitterで利用している匿名質問サービスに、元ジャニーズグループ「Love-tune」(現在は「7ORDER」として活動中。全メンバーが2018年~2019年にジャニーズ事務所を退所)のファンが複雑な胸の内を寄せてくれたことがありました。
「あんなに好きだったのに、あんなに支えようと思っていたのに、ジャニーズを辞めた彼らを見ると“なんか違うなあ”と思うようになりました。自分は冷たい人間なのでしょうか」
「私と友だちは彼らがジャニーズにいたときからずっと応援していますが、退所後、私のほうはさほど彼らに興味がなくなってきて……。ジャニーズじゃなくなると、以前ほどキラキラして見えなくなってしまいました。それはなぜでしょう? 今も応援している友だちに“興味が薄れた”とは言えません」
「7ORDER」は、ジャニーズ退所組の中ではかなり幸福な部類に入るグループです。退所後もメンバーの誰ひとり欠けることなくテレビや舞台で活躍を続け、2021年1月にはファーストアルバム「ONE」で待望のメジャーデビューが決まっています。
これはジャニーズ時代からのファンはもちろん、新たなファンの応援も得て彼らが勝ち取った“快挙”と言えるでしょう。彼らはジャニーズを離れることで、新たな魅力を開花させました。
それでも、前出の女性たちのように「自担がジャニーズを辞めたら、なぜか気持ちがさめてしまった」というファンも現れます。それは、ジャニーズという事務所の存在が大きすぎるからです。