文春オンライン
ベランダ50畳のワンルーム、玄関開けたら0秒でトイレ…日本で続々「ナゾの間取り」が生まれるワケ

ベランダ50畳のワンルーム、玄関開けたら0秒でトイレ…日本で続々「ナゾの間取り」が生まれるワケ

note

200人泊まっても大丈夫!?「あまりに広すぎる」6畳ワンルーム(@杉並区)

 

 大家というのは見栄っ張りなもので、「デザイナーズ」とか「アンティーク調」とか、雰囲気の良い言葉を使いたがる。賃貸住宅の情報サイトを眺めていると、かろうじて植木鉢を置ける程度の「専用庭」とか、徒歩25分でこじつけのような「2駅利用可」とか、そういう表現と出会うことが多い。

 上図は、とあるマンションの1部屋が貸し出されたときの間取り図を手直ししたものだ(洋室とベランダの畳数のバランスがおかしいのは原図のまま)。

これは「ベランダ」ではなく「屋上スペース」では……という疑問が頭をよぎるが、それにしても50畳という広さ。おそらく実際には専有部分ではなく、ビル全体の設備が設置された共有スペースだと想像される。

ADVERTISEMENT

(写真はイメージ) ©iStock.com

 持て余してしまいそうなものだが、よくよく考えてみよう。東京には依然としてベランダなしのワンルーム物件が数多く存在している。そういう部屋では洗濯物を乾かすのにも一苦労で、部屋干し臭に悩まされているシングルも多いことと思われる。

 一方、ベランダが50畳もあればそんな心配は無用。兵隊さんで言ったら、1個中隊(約200人)分の洗濯物が乾くほどだ。いくら洗濯物をため込んでも大丈夫! その意味ではじつに素晴らしいこの物件だが、それだけの洗濯物を一度に乾かす機会はなく、通常のワンルームに近い家賃で貸し出されている。