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“玄関開けたら即トイレ”の物件(@杉並区)
シングルの多い東京23区では、各デベロッパーとも、とにかく単身者向けの新築を建てようと試行錯誤を重ねている。そういうマンションでは、設備や住環境は二の次で、儲けを生むためにとにかく部屋数を稼ごうとする。
その結果として誕生したのが、図のような「玄関=便所」の物件だ。帰宅早々出迎えるのが便器なのだから、まるで自分がトイレに住んでいるような感覚になってしまうのではないかと心配になる。どんなに高級な靴を買っても、この玄関に置いたら「便所サンダル」になってしまう気が……。
なおこの物件以外にも、居間とトイレの間がアコーディオンカーテンで目隠しされているだけのワンルーム(一部では「オシャレ独房」と通称されることも)などが実際に存在する。東京の過密状態は江戸開府以来の難題で、住まう側としてもとにかく住居費を抑えたいところ。「家賃が安い」という理由で借り手が付いているのだという。
それならば……と、この「玄関=便所」の家に暮らす自分をイメージしてみた。日々の暮らしでは慣れないこともあるだろうが、強烈な便意に苛まれながらどうにか家にたどり着いた日には、この間取りをありがたく思うかもしれない……。そんな「ピンチ」ができるだけ訪れないことを祈るばかりだ。