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日本でナゾの間取りが生まれる事情(@中央区)

 

 高度経済成長以来、日本の住宅は大きく形を変えた。寝室と食堂の分離、子ども部屋の個室化、和室から洋間へ……など、好まれる間取りにも多くの変化が生じてきた。その過渡期には、さまざまな挑戦と失敗があった。

 かたや東京は世界最大の都市であり、常に土地不足で、単身者が多く、住居費も高い。そんな極端な地域性と時代性の下では、必然的に「変なビル」や「変な家」、「変な間取り」が生まれるものだ。こうした物件はいわば、日本社会の持つダイナミズムの証である。

(写真はイメージ) ©文藝春秋

 黒川紀章のように、「変な家」を通じて都市への問いかけを行った建築家もいる。彼の代表作である「中銀カプセルタワービル」のユニットは、ご覧の通りの超・狭小住宅で、現代人が見ても驚く建築としてその姿を保っている。

 施主のこだわりや建築家の個性だけでなく、都市計画のひずみや資本のエゴによっても「ナゾの間取り」は増えていくだろう。そんな間取りを見つけては、そこで暮らす生活を妄想する……。こうして今日も、夜が更けていくのだ。

※本稿中の物件は、2018年にダイアプレスより刊行された『事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ⁉』の第1章にて紹介したものです。間取りの図版は、同書に掲載したものと同一のデータを利用しています。

事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ⁉

間取り調査委員会

 

2018年12月24日 発売

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