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ミスチルの恋愛ソングを細分化、“陰”と“陽”の桜井節
筆者がミスチルを好きになったのは、ご多分にもれず「CROSS ROAD」きっかけ。中高時代、スクールカースト最下層の4軍男子だった自分にとって、自転車通学ソングがミスチルでした。かれこれ27年間聴き続けていますが、恋愛コラムニスト的観点からミスチルの恋愛ソングを体系化していくと、まず2種に大別できるんです。
10thシングル「名もなき詩」(1996年発売)や19th シングル「NOT FOUND」(2000年発売)のように、比喩などを用いた抽象的表現を主とし、恋愛哲学とも言えるような歌詞で綴られたタイプ。
一方、初期の曲である1stシングル「君がいた夏」(1992年発売)、2ndシングル「抱きしめたい」(1992年発売)、3rdシングル「Replay」(1993年発売)などは、同じ恋愛ソングでも“相手”や“場面”が具体的なタイプ。
※【】内は歌詞の引用
「君がいた夏」
【夕暮れの海に ほほを染めた君が 誰よりも 何よりも 一番好きだった】
「抱きしめたい」
【人波で溢れた 街のショウウィンドウ 見とれた君が ふいに つまずいた その時 受け止めた 両手のぬくもりが 今でも】
「Replay」
【防波堤に打ち寄せる 波の飛沫 浴びれば 出会った日の二人がReplayしてる】
このように、まるで映画やドラマのワンシーンを切り取ったかのように、シチュエーションをリアルに描写しているんですよね。
そして、“相手”や“場面”が具体的なタイプの恋愛ソングも、さらに細分化することができます。それは“陽”の具体的恋愛ソングと、“陰”の具体的恋愛ソング。