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 9月23日より全国順次公開されるユン・ガウン監督の映画『わたしたち』は、10歳の少女の心の動きを、転校生との交流や級友から受けるいじめを通して描いた作品だ。

「クラスで少しずつグループに分かれ始めるのが小学校高学年。人間関係も複雑になるこの時期を舞台に選びました」

 子供の世界に、家庭環境や経済力という社会的な価値観が入り込むことで疎外が生まれていく。日本の光景に酷似しているが、これは韓国の小学4年生の物語である。

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 それだけではない。

「描いているのは、一見、何でもない子供の日常です。しかし大人にも日々同じようなことは起きていて、決して子供の話ではないという感想を観た方からいただきました。大人になるほど、心の距離が埋まらない人とは疎遠になるものです。でも、子供のように何度でも向き合うことを諦めなければ、気持ちは伝わる。そういう思いも込めています」

 何気ないやりとりから、妬みや怒り、親しみの情が湧きあがり、その心情の機微はスクリーンに見事に映し出される。だからこそ、本作を観た人の多くが「目を離せなかった」と洩らすのだろう。

「本当に必要な場面でしか音楽を流していません。登場人物の気持ちは、息づかいからも表れていくものだからです」

INFORMATION

映画『わたしたち』
9月23日より、恵比寿ガーデンシネマほか全国順次公開
http://www.watashitachi-movie.com/