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1日2時間の睡眠も当たり前…29歳の元アイドルの「『ゴーカイジャー』とアイドル活動を両立していたあの頃」

元Tomato n' Pine・小池唯さんインタビュー#2――アイドル戦国時代を振り返る

2020/12/12
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1日2時間の睡眠も当たり前「人生で一番忙しかった」あの頃

――小池さんが『ゴーカイジャー』に出ていた時期、トマパイとしての活動を並行させるのは大変だったと思います。

小池 あの時期は人生で一番忙しくて、とにかく寝ることができなかったんです。1日2時間の睡眠も当たり前でした。例えば、『ゴーカイジャー』の撮影が夜12時くらいまであって、そのまま車で仙台に向かって、ほとんど寝ないで朝からリハーサルして、ライブが終わったら東京に戻って……。そんな生活が続いていたのでおかしくなりそうでした(笑)。『ゴーカイジャー』のスケジュールがフィックスしてないとトマパイの仕事を入れられなかったので、日菜ちゃんと和田には申し訳なかったです。

――『ゴーカイジャー』で、より演技の仕事をしたい気持ちは強くなりましたか?

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小池 強くなりました。演技の道に進みたいという欲が出てきたんですけど、『ゴーカイジャー』が終わるとトマパイの仕事が優先されてしまい、ライブがあるとドラマの仕事を入れられないし、オーディションも受けられないので、「お芝居の仕事がしたいのに……」というジレンマを感じていました。

 

――アイドルグループで知名度を上げて、卒業後、本格的に女優に転身する方も多いですが、そういう考えはなかったですか?

小池 そこはハッキリと分けて考えていたんです。アイドルはアイドル、女優は女優って。

「無理して続けてもファンの方は気がつく」

――先ほどもおっしゃっていましたが、「トマパイで売れたい」という気持ちはあまりなかったんですね。

小池 そこまではなかったと思います。ただ、トマパイの活動が楽しかったのは本当で。売れて環境が変わるより、ずっとクラブでライブをしていたいという気持ちがあったんです。それに、売れたらメンバーとの関係も変わりそうじゃないですか。日菜ちゃんは控えめで和田は人懐っこいから、どうしても和田と一緒にいることが多くて。「日菜ちゃんは思うところがあるんだろうな」とずっと気にしていたんです。

――小池さんはバランスを取ろうと思っていたんですね。

小池 1回、「キツいことでも言いたいことは言い合おう」とジェーンさんも加えたミーティングが開かれたんです。あのミーティングはやっておいてよかったと思います。

 

――結局、トマパイは2012年内に散開することになりましたが、和田さんが事務所との契約を終了したことが直接の理由だったんですか?

小池 それが一番大きかったと思うんですけど、他にもいろんな問題が立て続けに起きていて。私もトマパイしか仕事をしていない状態だったので、「環境を変えたい」と事務所に話していましたし、信頼していたマネージャーさんがいなくなるタイミングでもあって、いろんなことが重なった結果だと思います。

 ジェーンさんに「どうしたい?」と聞かれて、「みんながやりたい状態なら、続ける道を模索したほうがいいけど、みんなの気持ちが他に向いているなら、無理する必要はないのかなと思います」と答えた記憶があります。無理して続けてもファンの方も気がつくし、自分たちも苦しむだけだから。