昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

ツイッター社長に聞いてみよう

起業に大切な「人・モノ・金・時」

 起業するにあたって、何が重要なのか?

 ビジネスは「人・モノ・金、そして時(時間軸)」が大切です。

 起業するにあたって、人との出会いは特に大事な要素です。ご縁や出会いはタイミングありきですから、その点でぼくは運がよかったんだと思います。

「クリエイティブ・リンク」のメンバーは、当初は5~6人でした。彼らと一緒にやろうと思えたのは、全員の個性がすごく立っていて、魅力的な人たちだったからです。彼らはもともとエンジニアで、ぼくにはない力を持っていました。「持ちつ持たれつ」という関係で、すごくよかった。実は、2011年の2回目の起業のときもご一緒させてもらっています。

 社内でのいざこざやトラブルはほとんどありませんでした。

 ただ、寝食を顧みずに仕事をする熱量はすさまじかった。魂が強い連中が集まっていたのでしょう。悪い意味でのケンカではなく、議論や口論は毎日のようにありました。

 そのとき思ったのが「エンジニアって体育会系なんだな」ということでした。というのも、エンジニアは、なにかひとつのことを成し遂げようとすると泊まり込みでやるんです。ぼくは彼らに仕事を頼む立場でしたが、お願いのしかたを間違えると、強く反発されることもありました。社内はつねに闘っている感じがありました。

 

 苦労したのは採用です。ベンチャーなので当然ですが、「経験者募集」といって募集しても経験者は来ません。未経験の人も採用するので、会社は動物園状態でした(笑)。よく成り立っていたなと思います。「こっちはレストランのことをやらなきゃいけない」「あっちは中国に行かないといけない」……みたいな感じで、もうハチャメチャでした。

キャッシュフローをきちんと見る

 あと、起業や独立をするなら、お金の勉強はしておいたほうがいいです。お金のことで誰かに騙されるような可能性は低いですが、それでもあまりにも無頓着ではいけません。

 ビジネスにとってのお金は、人間にとっての血のようなもの。流れているものですから、入ってくるものもあれば、出ていくものもある。そして血を流していく「体」をしっかり持てているかどうかを自分で診断する必要があるんです。もちろん会計士やCFOに任せるところもあります。でも「どのような任せ方をするか?」という基準は、自分の中で持っている必要があるでしょう。

 会社の資金繰りの中で「この数字は見ておかなきゃいけない」というポイントは「キャッシュフロー」です。よく「バランスシートを見ておけ」といわれますが、ぼくは個人的にはそこまで見ません。その中の「キャッシュフロー」を見るだけです。バランスシート全体は他の人に任せて、ぼくはキャッシュフローを見るようにしています。

 

 バランスシートは、たとえるなら「森」みたいなものです。バランスシートという森の中にはいろんな「木」があって、キャッシュフローはその中でも大きな「大木」のようなもの。そこが腐ったら、森全体が腐ってしまいます。

 投資をしている場合は、その投資に対する効果が健全かどうかを見る必要があります。いいCFOは、ちゃんと森も木も見られる人です。ただ、やっぱりビジネスサイドを任されている人間も、そこを見ることができていないといけません。でないと、下手をすれば森を腐らせてしまう危険性があります。

z