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連載サウナ人生、波乱万蒸。

もはやサウナという名のテーマパーク 熊本「湯らっくす」が西の聖地になった理由

もはやサウナという名のテーマパーク 熊本「湯らっくす」が西の聖地になった理由

「湯らっくす」社長・西生吉孝 #2

2020/12/26

ニュージャパンサウナに学んだ経営哲学

「当時ニューヨークでも、ヨガが流行ってるという話があって。ヨガはインド発祥ですし、仏教とヒンズー教って結構つながるところが多いので、ヨガも始めるようになっていきましたね。そんな時に大阪のニュージャパンに行ったんです。そしたらそこでストレッチ教室やってたんです、低温サウナの中で。今でいうホットヨガの走りなんですけど、ニュージャパンサウナはずっと前からやってたんです。おそるべしなんです、あそこ。ニュージャパンサウナはどうでもいいところにお金をかけるんですよ。当時、エレベーターガールが4人ぐらいいましたから。サウナですよ、デパートじゃないんだから(笑)。

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 通い詰めるうちに『ここだ! 自分が目指すところは』と思って。それで湯らっくすにも、お世話係するだけ、おしぼり配るだけの女の子を入れて。当時の税理士さんに、『人件費上がってますよ』と言われましたが、とにかくニュージャパンサウナに近づきたかったので『俺は自分の殻を破るためにここにお金をかけるんだ!』と思いこんで。いかに無駄なことにお金をかけるかということに一生懸命でした。でも、いまだにそこは正解だと思ってるんです。いかに無駄を省くかじゃなくて、いかに人が無駄だと思うところにお金をはれるか。その幅を持てるかというところがサウナ運営には絶対大事だと思いますね。

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食堂に飾られている西生プロデュースの湯らっくすTシャツ