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映画『マッドマックス』から得た仕掛け

「映画を学びたいと思って留学したのに車屋で働いてたくらい、映画の『マッドマックス』シリーズが大好きで。MADMAXボタンはボタンを押すとニトロエンジンで車がぶっ飛んでいくイメージなんです。水が落ちてくるのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で最後イモータン・ジョーがこうやるでしょう。バーッて。実はイモータン・ジョーが水出した時は虹かかってないですから。イモータン・ジョーが死んで最後みんなが出した時に虹がかかってるんですよ、実はあれ。だから、もしかして水を沢山降らしたら、風呂場に虹がかかるんじゃないかと思って。そうなったら大量の水が必要だなと。あと、水風呂の深さが171センチあるんで、ボタンは綱を登らないと押せなくなっているんですけど、それには理由があって。人間って登って落ちていかないとストーリーにならないんですよ、特に男の子は。恰好よくないんですよ、落ちたことない奴は。『蒲田行進曲』だって階段落ちが最高な訳じゃないですか。ああいう感じです(笑)。綱はカンダタの蜘蛛の糸のイメージ。半分ネタですけど(笑)。そういういろんな想いが詰まっているのが、あのサウナと水風呂なんです」

西生社長。このボタンを押していれば苦境も乗り越えられる気がする

 一見何の関連性もないように見えるすべての事が、今の湯らっくすにつながる壮大なフリのようにも思える。MADMAX西生は今、そしてこれから何を思うのか。

さらなる高みを目指して

「熊本地震が一番のハイライトだと思ってたらとんでもなかったですね(笑)。世界中がとんでもない目に遭ってますよね。自分はといえば、またヨガの練習をすごく頑張ってやっているんですよ。ヨガに“Practice, and all is coming”って言葉があるんです。これはアシュタンガヨガの祖、シュリ・K・パタヴィジョイスという人の言葉で。『ただただ練習しなさい。さすれば向こうからすべてがやってくる』という、シンプルかつ重要な教えとしてヨガ界では有名な言葉なんですけど、そういう心境です、今は。『何かやりたい、これをやりたい』というのも浮かんでは消えたりするんですけど、世界はどうなるかわからない。目の前の現実としてはこの会社を守らないといけないというのもありますんで。

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 でもひとつだけ構想があって。今度休憩スペースに個室を作ろうと思うんです。僕、尺八をやるんで、防音の尺八の練習部屋を作ろうと思ったんです。それを防音ルームとして有料で貸し出そうと。バンドとか楽器の練習もできるように。それはやりたいなと思っています」

 ニトロエンジンを搭載したMADMAX西生の快進撃は、どんな世の中になっても止まりそうにない。

INFORMATION

湯らっくす
住所 熊本市中央区本荘町722
電話 096-362-1126
料金 大人(中学生以上)590円、小人(4歳~小学6年生)300円ほか
※営業時間などの最新情報は公式HPをご確認ください。
https://www.yulax.info/