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お遍路さんでサウナに開眼……クラファンで長野の山中にサウナを作り上げた男の物語

「The Sauna」支配人・野田クラクションベベー #1

2021/02/01

 長野駅からレンタカーで市街地方面に向かい山道をひたすら上っていく。運転すること40分。民家が減り、本当にこっちでいいのか?と心配になる頃、ゲストハウス「LAMP」の看板が目に入る。はるばる来たなという感慨、樹々の間から望む野尻湖の美しさ、木立に囲まれたログハウスのたたずまい。そして車を一歩降りた瞬間の空気のおいしさに、早くも脳がリラックス状態になっているのがわかる。

 
 
 
 
 

 ゲストハウスは旧いながらもきちんと手入れされ、今風にオシャレにリノベーションされている。入口にはカヌーも飾られており、野尻湖での様々なアクティビティがここを拠点にできるように作られている。The Saunaはそんなゲストハウスの敷地にある。

 
 

どこの施設で聞いたロウリュの音よりも長く、美しい

 館内の共同浴場で水着に着替え、外に出る。刺すように冷たい外気の中、バスタオルを羽織ってサウナ小屋に向かう。冬の澄んだ空気が、神聖な気持ちにさせる。手作りのログハウスが見えてくると、サウナに入るだけなのに、これから神事を行うかのような厳かな気持ちになってくる。

 
 

 サウナは手作りのログハウス。内部は熱源の薪ストーブを中心に左右対称にベンチがある。天井は低く、最高のセッティング。音が一切ない静かなサウナ室の中でロウリュをすると、薪で熱されたサウナストーンたちが「ジュワ―――――――」っという最高の音を奏でる。

 それは、今までどこの施設で聞いたロウリュの音よりも長く、美しい。まるでコンサートホールでオーケストラを指揮しているかのような気分にさえなってくる。