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野田の人生を大きく変えたサウナとの出会い

 修験者の滝行とは極上の水風呂だったのだろうか。神の導きにも思えるお遍路中のサウナとの出会いは、野田の人生を大きく変えることになる。しかし当時22歳の若き青年は、未だ自分探しの旅の真っ最中だった。

「日本一周を終えて帰った後は、動画制作担当になったりして、毎日忙殺されていきました。その中で、自分は何をやりたいのか、何をやったらいいかがどんどんわからなくなっていったんですよね。でも会社が上野ということもあり、北欧をはじめサウナが沢山あったんで、サウナには行きまくってました(笑)」

 
 
 
 
 

先輩編集者との対話で見つけた、“ほんとうに自分のやりたいこと”

「ある時、『自分がなにをやりたいのかわからない』と社内の信頼する先輩に相談したんです。そしたら『ベベさんってサウナの話をしてる時は生き生きしてるね』と言われて。自分では気づいていなかったんで、『そうなんですか⁉』みたいな感じでした。でもその一言が自分には大きくて、あのとき『俺はサウナが作りたかったんだ』と気がついたんです。

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 それからは意識して色んなサウナに行って、どうやったらサウナを作れるのか、そのためにはどうしたらいいのか、というタスクみたいなのをバーッと書き出した。

 とにかく早く実行に移したかったんで、どうしたら最短のルートでサウナを作れるか悩んでいる時に、今度はまた別の先輩編集者に相談したら『お前の会社、ゲストハウスあるじゃん』って言われて。『そこで野尻湖に飛び込むみたいなの、やったらいいんじゃない』って言われたときに『それだ!』と思いました。『アウトドアを楽しむ施設のアウトドアサウナ。そんなの日本で見たことない』『自力で作るんじゃなくて、会社に提案して作ってもらおう』って。そこから一気に突破口がバーンと開けたんです」

 何もなかった22歳の若者は、先輩達の助言を受け実現に向け動き出す。会社へのメリットを説明するために、色々なサウナを回りリサーチし、データをまとめ、事業計画書を作り社内プレゼンにまでこぎつけた。しかし……。