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有料会員600万人 デジタルシフトに成功したNYタイムズと、凋落する日本の新聞社の“違い”

2020/12/22

歯止めが効かない新聞発行部数の減少

 国内の新聞発行部数は21世紀に入って以来ずっと右肩下がりだ。20年間で30%低下している。特に深刻なのは、ここ最近の減少速度が加速していることだ。前年比2%前後で安定していた減少率が、2018年から5%超と急増している。購読者数の分母が減っているので減少率が増えても不思議ではないが、それにしても一気に2倍以上というのは大きい。若い世代が紙の新聞を読むとは思えないので、紙離れは益々加速するだろう。

 ちなみに、全国紙5社の朝刊発行部数は下記のようになっている。

1.読売新聞        8,099,445 部
2.朝日新聞        5,579,398 部
3.毎日新聞        2,435,647 部
4.日本経済新聞     2,333,087 部
5.産経新聞        1,387,011 部

(出所:日本ABC協会、2019年1月~6月平均)

 紙が苦戦している直接の原因はネットでのニュース配信だろう。わざわざ紙の新聞を取らなくても通勤途中にスマホでニュースを読める。PCでも読めるが何と言っても移動中に読めるスマホが便利だ。興味があればその場で検索することもできる。この利便性に慣れてしまうともはや紙には戻れないだろう。ちなみに筆者は紙ならではの良さに惹かれて、いまだに4紙を自宅で購読している。

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 もちろん新聞各社も購読者数減を黙って見ているわけではない。敵に塩を送る(ネット配信サイトにニュースを提供)、自ら電子版でニュースを配信する(有料・無料)などデジタル化対応に余念がない。しかし、新聞社全体の売上高が過去20年間で30%も低下しているところをみると、デジタル化で減少分(購読料と広告料の合算)を補っているとは言い難い。

 では、肝心の電子版の有料購読者数はどうなっているだろうか。日本経済新聞社は76万7978人(2020年7月1日時点)と日本で最も多い。紙の購読者数に対して37%の電子版購読者数(重なっている購読者あり)とかなり健闘している。朝日新聞は1995年から電子版を配信しているが有料会員数は32万人と日本経済新聞の半分以下に留まっている(2020年5月)。それ以外の大手新聞社は有料電子版の購読者数を公表していないところをみると、電子版への移行に苦しんでいるのだろう。これは日本に限ったことではない。世界の新聞業界に共通の問題だ。