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冬でも読みたい「怖い話」

「昨日はありがとうございました」身に覚えのないDMから始まった“恐怖体験”の結末

続々・怪談和尚の京都怪奇譚――「既視感」

2021/01/03

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 読書

 京都・蓮久寺の三木大雲住職のもとには、助けを求める人が絶えない。ポルターガイストに悩まされている、人形をお祓いしてほしい、さまよう霊を供養成仏させてほしい……。そんな実話や自身の体験など、現代の怪談、奇譚の数々を収めた続々・怪談和尚の京都怪奇譚(文春文庫)より、背筋も凍る「既視感」を特別公開。見えない世界に触れることで、あなたの人生も変わる……のかもしれない。

◆ ◆ ◆

「昨日は有り難う御座いました。ご馳走にまでなってすみません。次は私が奢ります」

 ある日、SNSを通して、こんなメッセージをいただきました。

 しかしながら、このメッセージの送り主の方を直接には知りません。直接知らないとは、SNS上では繋がっているのですが、お会いしたことはないという意味です。しかも、SNS上では、この方が男性か女性かも分からない状態でした。

©iStock.com

 これは送り主を間違われたのだと思い、すぐにメッセージを返しました。

「先ほどメッセージをいただきましたが、送り先をお間違えのようです」

「え? 三木大雲ご住職ですよね」

 すると、すぐに返信が来ました。

「え? 三木大雲ご住職ですよね。昨日、○○のショッピングモールで珈琲をご馳走になった○○です」と返ってきたのです。

 私は相手の方がおっしゃるショッピングモールには一度も行った事がありませんでした。更には、昨日はお寺から一歩も外出していなかったのです。

 時々、このような悪戯メッセージを頂くことがありますので、返信をしないでそのままにしておきました。

 それから数日後、お寺に一人の中年男性がお越しになられました。