文春オンライン

「事務所をクビになりかけたことはありました」 M-1決勝進出ウエストランドが振り返る芸歴12年の波乱万丈

ウエストランドインタビュー#2

2020/12/19
note

まだ、こいつ奥さんの愚痴言いますからね

井口 自分が言ったことで自分だけ笑ってる、酔っ払いの一番つまんないやつなんですよ。浅草の東洋館でライブさせてもらったときは、15分の出番だったんですが、こいつが来なかったんで、しょうがないから1人で舞台に出ていったんですよ。そしたら、普通にできましたね(笑)。

河本 これ、本当なんですよ。冗談みたいな話ですけど。

井口 今は家族が戻ってきてくれたので、仕事が終わったらすぐ帰って、いくら朝早くてもちゃんと仕事に来るようになったので、とても助かっています。「こいつ、ちゃんと仕事くるかなぁ」っていう無駄な心配をしなくなったのが、今回決勝まで行けた一番の理由かもしれません。

ADVERTISEMENT

 

――となると、決勝進出は河本さんのご家族のおかげですね。

河本 そうかもしれないですね。

井口 いや、100%そうですよ。それなのに、まだ、こいつ奥さんの愚痴言いますからね。

河本 だって、調味料とか化粧水の蓋が全部開いてる。

井口 いいよ、そんなの! それくらい許してやれよ。

河本 たまに、バーっと倒れると……。

井口 確認しろ、お前が!

河本 全部やで。

井口 お前が全部確認しろ、毎回!

「僕はモテたいですね」「お前は家族がいるだろ!」

――本当に舞台で拝見するやり取り、そのまんまですね(笑)。

 

井口 でも、こいつは家族がいるからいいですよ。決勝進出が決まった後も家に帰ったら家族がいるわけですから。僕なんて、1人で真っ暗な部屋に帰るだけですよ。芸人仲間といることが心の支えでしたけど、いまは飲みにもいけないですから。

 M-1決勝進出が決まったあと取材があって、「誰に気持ちを伝えたいですか?」って質問があったんですけど、僕以外全員家族だったんですよ。こいつは「自分の娘に」とか言ってるのに、僕は、「爆笑問題さんと事務所の社長」でしたからね。すっごい、さびしい奴になっていました。

河本 悲しすぎる。

――でも、M-1で決勝出たら、女性にもモテモテになるんじゃないですか?

井口 いや、絶対に変わらないと思いますよ。人気になる人はもともとモテてると思いますし、37年生きてきてモテなかったのが急にモテるようになるなんてことはないですよ。さすがに、もう地に足がついています。いろいろ経験しましたから(笑)。

河本 僕はモテたいですね。そのためにお笑いやってきたわけですから。

井口 お前は家族がいるだろ!