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2021年の立ち食い・大衆そばへ“5つの予言” 閉店ラッシュの先で生き残る店の特徴は?

2020/12/22
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2021年の立ち食い・大衆そば店はこうなる

 さて、2021年は立ち食い・大衆そば店はどのような状況になるのだろうか。少し予測してみようと思う。

予測1:来年も閉店が続く可能性がある。

 コロナ禍の第3波が襲っている。ワクチン投与が来年に始まるとしても、まだ混乱は続くだろう。今後、ロックダウンがないとも限らない。オリンピック開催で感染が再燃することもありえる。2021年も立ち食い・大衆そば店の受難は続くと考えておいた方がよいと思う。ただ、これ以上の閉店は辛い。どうにか、生き残る方法を模索して欲しいし、我々も密にならないように、お店を利用していきたいと思う。

予測2:高単価メニューの開発が進む。

 各店舗は「薄利少売」にならないように工夫することが必要だ。路面店では居酒屋が減って焼肉屋が増加している。客単価を上げるための作戦といわれている。立ち食い・大衆そば店でも、「安いうまい早い」という従来のメニューにこだわらず、少しでも単価の高いメニューを増やすことも必要になると思う。

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 そんな中、いま新メニュー開発に力を入れているのが、大手「名代富士そば」である。

「名代富士そば恵比寿店」では「クリームシチューうどん」(500円)を期間限定で発売し話題を集めた。「名代富士そば北千住東口店」では、12月16日から「タンタン蕎麦」(590円)を発売中だ。

 2021年1月5日からは、銀だことコラボした「銀だこそば・うどん」(500円)を販売するという。いずれも若干の高価格帯を取り入れているが、それは目新しさとうまさでアピールしていく作戦のようだ。付加価値のあるメニューが人気を呼ぶということである。

「名代富士そば北千住東口店」で12月16日から始まった「タンタン蕎麦」(590円)

 「しぶそば」でも高付加価値のメニューを揃えている。「冷しぴり辛ねぎそば」(490円)は他店にはない人気メニューである。こういったメニューの開発が進んで行くのだと思う。

「しぶそば二子玉川店」で食べた「冷しぴり辛ねぎそば」(490円)は唯一無二の絶品だ。