「みどり」という船に乗って逃げ切った
——怒りかぁ……怒りが人を笑わせる。
清水 イラつく。イラッとくる。今までも何となくそういう人がいて「分かる!」ってなったのかもしれないですね。
——誰の心にもみどりがいる……。
清水 エバーグリーンが(笑)。当時バブルだったから、ミニスカート履いてキツいお化粧で髪が長くてプライド高い女っていたんですよね。それ美人なら許されるけど「お前は違うだろ」っていうのだとイラッとくるんじゃないですかね。今はきっとできないですね。そういうストレートないじりは。
——あの時代だからみどりは生まれて、みんなに愛されたということですよね。当時はそこに違和感を覚えずに。
清水 全然、考えもしなかったですね。それまでみんなの足手まといだったのが、やっとみどりというキャラで借金が返せた感じ。この船を手放したら大変なことになるぞと。みどりという船に乗って逃げ切ったという感じでした。
客のワインを…全然丸くなってない野沢直子
——野沢直子さんとはどういう関係性だったんでしょうか。
清水 始まった当初はそんなに仲良くなかったんですけど、終わりに近づくにつれてすごい仲良くなってきて。最終的にアメリカから帰ってきてはうちに泊まってみたいな付き合いになってきましたね。
——野沢さんがアメリカに行ってしまったのはすごく衝撃的でした。あんな人気のある方が、それを捨ててまで。そこにはよほどつらいことがあったのか、いろいろ考えるところがあったのか。
清水 考えるところはあったのかもしれないですね。
——ダウンタウン、ウンナンと同じく「これからどうなるんだろう」って思っていたので。
清水 そうですよね。すごくなる予感ありましたよね。たけしさんにもダーッと言える人ってなかなかいなかったですもん。タメ口で嫌な感じがしないって当時珍しかった。
この間もしゃべってたら、コロナの前にイギリスでライブをやったんですって。その時酔っぱらった女の人にジャップがなんたらとか言われて、歌ってたんだけどそのままその人のところに行って、その人が飲んでたワインをその人にかけたんだって。すごくないですか?
——すごい。
清水 そんな日本人、今までいた?(笑)すごいんですよ、あの人。全然丸くなってないし、少しはなれよって思う(笑)。