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「“みどり”という船にしがみついた」笑いの“化け物”だらけの時代、清水ミチコ60歳が見出した活路

「“みどり”という船にしがみついた」笑いの“化け物”だらけの時代、清水ミチコ60歳が見出した活路

清水ミチコさんインタビュー#2

2021/01/15
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野沢直子と、「冠番組なんか持ちたくない」と

——女性芸人はゴールが見えづらいみたいなことかなと思いました。

清水 ああ、そうかもしれないですね。

——男性芸人は、活躍して、若くて美人の奥さんをもらって、冠番組を持つ……いろいろ「上」があって。だけど、女性芸人は、活躍したけど、じゃあその「上」はどこにあるんだろうと。

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清水 確かに。そういえば『夢で逢えたら』の時に私も直子ちゃんも「冠番組なんか持ちたくない」って話してたな。そんな話、来てないんですよ。来てないのに(笑)。「やめようね」とか言ってて。

——それはなぜですか。

清水 横でワチャワチャしてたい、もう少し無責任な存在でいたい。でも「清水ミチコの」ってついたら、責任が出てくる、これを絶対に成功させようと思うじゃないですか。そうすると、楽しくないですよね。“仕事”になるというか。仕事なんだけど(笑)。

 

——ずっとふざけていたい。

清水 そうですね。小さい時からずっとそうなんですよ。人にちゃちゃ入れたい、冷やかしたい。山田邦子さんや上沼恵美子さんは本当にすごいと思います。ただ、さっきから「冠番組断ってる」みたいなテンションで話してますけど、そんな話全然来てないです。

——確かに『夢で逢えたら』以降の清水ミチコさんは、コント番組に出るとか、いわゆるバラエティ番組に出るという路線ではなかったですもんね。

清水 そうですね。ネタ番組も「大丈夫です」みたいな感じでしたね。大丈夫じゃねえよ、やれよ、っていう話なんだけど(笑)。

——ひな壇的なバラエティ番組はまさにチームプレーですもんね。卓球部じゃない。

清水 そうなんですよ。組体操なんですよ。私、一番下も嫌だし、一番上も嫌で、もうどうしようもない。ただライブだったら何をやろうと自分の責任だし、自由にできるので、続いてます。

【続きを読む】「口の悪いネタは、お客さんがショボンと…」清水ミチコが語る、笑いと“意地悪”が行き着く先

写真=榎本麻美/文藝

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