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——しかし、その激しさを当時の日本で持ち続けるのは、大変だったのかもしれない。

清水 うん。20代とか、孤独だったんですよね。私も野沢直子も。今は同じ女性芸人が若い世代にたくさんいるので、全然楽しいですけど。そう、あの頃は孤独でした。

——それは……山田邦子さんもおっしゃってました。モリ夫さんも。でもモリ夫さんの頃は先輩女性芸人はいて、嫌なことも言われたけど、かわいがってくれる人もいたから何とかやってこれたと。

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清水 モリ夫さんは好かれるから。私と光浦(靖子)さんとモリ夫さんとでハワイに行った時も、現地の人がモリ夫に対して笑ってるんですよね。えらいもんだね、ってみんなで話してた。

 

「モノマネ」という武器で「女芸人」から逃げられた

——モリ夫さんが東京のテレビで活躍されていた時、裏ではたくさんの辛い仕打ちがあったとお話しされていましたが、清水さんはそういうご経験はありましたか。

清水 いや、それはそんなになかったかな。やっぱりモリ夫さんみたいに若くないし、仕打ちを受けるほどそもそも期待されていないし。「お前がかわいいから言うんだぞ」みたいなのもそんなになくて。逆に女でモノマネをやっている人も少なかったから、そういう希少価値で結構おいしい思いはしてきたと思います。

——「モノマネ」ができるということで、「女性芸人」というよりは「モノマネ芸人」という属性に……。

清水 うん、逃げる。そう。逃げられたんですよ。

 

——野沢さんやモリ夫さんを見ていて、「大変そうだな」って感じていましたか?

清水 いやいや。直子ちゃんはあれだけ好きに人生を謳歌しているし、モリ夫も自分の店がうまくいきながら芸人もやっていて、全然幸せそうですよ。でも、過去があったからそれを考えられるんでしょうね。感じられるんでしょうね。本人たちも。
 
——若い女性芸人たちから悩みを打ち明けられることはありますか。

清水 いえいえ。そんなにはないですけどね。一緒にうだうだとしゃべるだけ。人の悪口を言ったりとか(笑)。直子ちゃんが帰ってきた時は、1軒お店を借りて、女性芸人ばっかりで飲んだりしますよ。