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「凱旋ロス」から思い出す“社会不適合”な名機たち…ファンに愛されるパチンコ台が撤去されてしまう“謎”の理由とは?

2021/01/03

genre : ライフ, 社会, 娯楽

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パチンコファンが狂おしいほど打ち込んだ名機たち

 他、第二次撤去リストには

『フィーバーパワフル(SANKYO)』
『エキサイト(藤商事)』
『カーニバル(ニューギン)』

といった大人気機種も含まれていました。

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 パチンコ好きのお父さん達、いえ、当時のお兄さん達にとって、どれを取っても狂おしいほど打ち込んだ名機ではないでしょうか。当時はまだネットやSNSも普及していなかったため、撤去の背景もよく分からないままロスに陥ってしまった方も、少なくないかもしれません。

社会的不適合の烙印を押されて世間から姿を消した名機

 これらの中で特に取り上げておきたい台が3つあります。

まずは1991年に登場した『麻雀物語』。今やパチンコのほとんどに使われている「カラー液晶モニター」を初めて搭載した、パチンコ史に残る機種です。大当りになると「さやか」なる女の子が脱衣していくゲーム風画面、そして程よい連チャン性もあり、一時期メーカーの工場がパンクするほど作られ、全国各地に設置された、大人気機種でした。

……そんな名機が「社会的不適合機」扱いされて、最期を迎えたとは!

パチンコ初の液晶画面を搭載し、爆発的ヒットとなった『麻雀物語』カタログ

 そして『麻雀物語』のようなエポックメーキングな機種とは方向性が違うものの、1992年から導入が始まったカード式遊技機「CR機」が市民権を得るのに大きな役目を果たしたのが、1993年に発売された『CR花満開』でした。

初期のCR機を代表する『CR花満開』広告より

 CR機は当初鳴り物入りでデビューしたのですが、売り物だった確変性能が低く、すぐにマイナーな存在になってしまいました。しかしメーカー組合レベルでの「内規改正」が行われ、新たに誕生したのが『CR花満開』。この機種についてもご存知の方が多いことでしょう、3か7で当れば2回当るまでループする確変性能や、保留玉でも大当り期待度が高まるなど、従来にない魅力が満載でした。

 しかし、そんな立役者も「社会的不適合機」になり、去ってしまったんです(※花満開については、それ以前にメーカーが販売自粛しており、泣き面に蜂状態でもありました)!

ゲーム性豊かな人気機種『フィーバーパワフルⅢ』カタログより

 さらに、史上初の「9分割モニター」によって何と2237万946通りもの当りパターンを搭載し、1992年に登場するや大人気機種となった『フィーバーパワフル』。液晶画面で初めて喋るキャラ「夢夢ちゃん」も斬新で、オール7が揃ったあかつきには画面が3分間停止して、シャッターチャンスも作ってくれるなど至れり尽くせり。縦横無尽のリーチアクションは、いくら打っても飽きない楽しさがありました。

 でも、この機種も「社会的不適合機」の烙印を押され、撤去の対象に……。