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「週刊誌の連載記事があったおかげで独立当初はなんとか食っていくことができました。あとは不定期にスポーツ新聞や実話誌での風俗記事レベル。それぐらいなら『俺の旅』という看板は求めてもらえるんですけどね。紙媒体での復活の道も探ってみたのですが、どの版元も難しい状況でした。

 大洋図書を退職した2019年5月から見ても、男性向け雑誌のアダルト規制はさらに厳しくなっています。特に際どい表現がどんどんできなくなっていて、これからも日一日に規制は厳しくなるでしょう。世間から見えないようにとエロ産業に掛けられた蓋はもう閉じるところ。紙のエロ本の市場はもはや壊滅。デジタルです。デジタル化して生き残っていくしかない。そうなることはやる前からわかっていたこと。なんてことないですよ」

©️iStock.com

「俺の旅」は、これまで17年間で出したシリーズ175冊を含め、ほぼ紙での展開だった。素人同然だったウェブ展開に「本格的に参入する」と宣言したものの、その具体案が「TwitterとFacebookのアカウントをつくる」ということだった時はさすがに閉口したが、その後、noteを含め、SNSで毎日毎日、独自の「風俗ニュース」や「消えたストリップ劇場」なんてミニ連載を細々と上げていると、2020年3月には風俗ポータルサイト「風俗じゃぱん」の中で連載がはじまり、ようやく。なんとなく。それっぽくなってきそうな気配が、少しだけしていた。

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迎えた2020年、コロナ禍

「まぁ、そんな時に最悪のタイミングで新型コロナでした。あの病は“人とのふれあい”を求める風俗の世界にとって最悪です。このウィルスのおかげで多くの人が風俗に行かなくなりました。風俗の有史以来、歴史的な危機でしょう。ただここをどう乗り越えていくのか。風俗の転換点。未来の人たちは注目して見ていますよ。恥じない行動をしなければ……ね」

 キャバクラからソープまで、夜の町はこれ以上ないほどの打撃を受けた。店に来る客はいない。そこで働く女性たちは稼げない風俗店を離れ、より危険度の高い地下売春の方へと流れていく者もいたという。