「世界全滅打法」
加えて、プログラムの隙を突いた攻略法も撤去の引き金になることがあり、2号機の『リバティベルⅢ(メーシー)』や『センチュリー21(ミズホ)』などいくつかで特定の手順を踏むとビッグボーナスが自在に揃えられるという、前代未聞の方法が発覚したのが1990年。専門誌では「世界全滅打法」などという名前を付けて大々的に取り上げ話題を集めましたが、コーナーの封鎖や撤去ですぐさまその姿を見なくなっていきました。
また初期の頃に問題となったのは、メーカーが作った台とホールで稼動する台の性能が、いつの間にか変えられてしまう現象が多発したことでした。密かに闇の業者(通称『カバン屋』)が基板を替えてしまう事件が頻発し、そうした怪しい台は「裏物」とか「Bモノ」と呼ばれていました。メーカーや組合による裏物対策が進んでも、一時的にRAMの内容だけを変更する「注射」なる方法がはびこるなど、様々なやり口で“新たなゲーム性”が誕生。メーカーによっては「世に出ているほぼ全てが裏物にされてしまった」と言われるなど、今思うと恐ろしい無法地帯と化しておりました。
人気パチスロが4機種も姿を消した「検定取り消し騒動」
そんな中、一部のメーカーが不正に関わっていたとされ、人気の3号機が全国の公安委員会で検定取り消しになってしまう事件が勃発。これらのメーカーには「3年間の検定持ち込み禁止」「組合除名」といったペナルティーも科せられました。
1991年に検定取り消しとなったのは……
『リノ(ニイガタ電子)』
『コンチネンタル(ミズホ)』
『ワイルドキャッツ(アークテクニコ)』
『セブンボンバー(バルテック)』の、4機種。1社2機種までしか発売できなかった時代ですから、割合としてはかなり多かったといえます。