規制とのいたちごっこが続く
やりたい放題となってしまった4号機の代償は大きく、2004年に施行された新規則に対応した5号機は、当初「ストック禁止」をはじめ出玉試験の厳格化など非常に厳しい状況の中で開発しなければなりませんでした。同時に2006年までに検定・認定期間が過ぎている「みなし機」などの撤去も進められ、この当時市場を席巻していた4.5号機『パチスロ北斗の拳(サミー)』や『吉宗(大都技研)』も姿を消し、多くのファンの「ロス」を生み出しました。
この2機種は2003年に登場したため、本来ならば検定3年間プラス認定3年間の6年に渡って設置できるはずでしたが、規則が変更されたため認定が受けられず、2006年夏頃までの撤去となってしまったのです。また、4.5号機よりさらにギャンブル性が抑えられた4.7号機の『パチスロ北斗の拳SE(サミー)』や『鬼浜爆走愚連隊(銀座)』、『押忍!番長(大都技研)』なども人気を集めましたが、5号機に入れ替えるためこれらも2007年秋までに撤去され、4号機時代が終わりを告げました。
一方、当初は業界関係者やファンを絶望させていた5号機も、様々なゲーム性の工夫や規制緩和により、だんだん人気を盛り返していきました。そうした動きはやはり「ギャンブル性の増加」につながっていき、再び規制とのいたちごっこが始まります。かつて隆盛を誇ったAT機の増加するペースが非常に遅くなったり、5号機末期にはいっぺんに獲得できる枚数を調整する「有利区間」と呼ばれる仕組みによって、期待できる獲得枚数が減らされていくなど、厳しさが増すばかり。
検定取り消しを受けても復活するしたたかな人気シリーズ
ギャンブル性の増大と規制の繰り返しは遂に、2018年の規則改正によってかつてない厳しい規定の6号機を生み出しました。それに伴い人気の5号機撤去が続き、冒頭の「凱旋ロス」などファンの嘆きを生んでいるのです。
とはいえ、パチンコ同様今回取り上げた大部分のパチスロが、後継機という形でファンの元に復帰しています。たとえ検定取り消しになろうとも、いわば“名誉の負傷”として「名機復活!!」などと宣伝文句になっているのですから、したたかな業界といえるかもしれません。パチスロにおいてもパチンコ同様ファンの喪失感を埋めるべく、人気機種の系譜は脈々と続いているのです。