1ページ目から読む
3/5ページ目

 

こうした機種は攻略法や連チャン性で一発逆転が期待でき、人気も高かったため専門誌や一般誌でも大きく取り上げられていました。

メーカーが不正な部品搭載に関わったとされ、検定取り消しとなった『コンチネンタル(ミズホ)』

というか、パチスロの人気機種が区分の移行以外で姿を消した理由の多くが、こうした検定取り消しによるものであったといえるかもしれません(笑)。つまり人気パチスロ機が姿を消す背景には……

ADVERTISEMENT

「検定、認定期間切れ(●号機の移行)」
「検定取り消し」
「攻略法など」の、3つが大きく関わっているといえます。

貯金という新たな挙動が、後のパチスロにも大きな影響を与えた『ワイルドキャッツ(アークテクニコ)』
『ワイルドキャッツ』より強力な貯金システムで人気だった『セブンボンバー(バルテック)』の広告

人を狂わせる(?)連チャンシステム

 これらの中で、個人的に好きでよく打っていたのが『ワイルドキャッツ』でした。ボーナスが当選しても何割かを内部で溜め込み、放出に当選すればガンガン連チャンするので、打ちに行く時は「ネコで貯金下ろそう」などと友人と“隠語”を使っていたりしました。そしてこの「貯金」は、後に「ストック」というシャレた言い回しに姿を変え、合法的な人気ジャンルを創り出していきます。

1991年検定取り消しになった『ワイルドキャッツ』は、そのカタログでも人を狂わせるようなゲーム性であることを匂わせていた

 また『ワイルドキャッツ』のカタログのイラストも非常に気に入っているのでご紹介しますと、そこには貯金放出のきっかけとなるビッグボーナスを当て、汗か涙かを吹き出しつつ目の色を変えている男性が。人を狂わせる瞬間が、見事に描かれていたと思います(笑)。

時代を変えた「サブ基板」による爆裂AT機の跋扈

 さて、このように3号機は検定取り消しが相次いだためか短命だった上、その後始末に追われ4号機への移行は難航を極めました。4号機の基準が発表されたのは1991年でしたが、2年ほど全く新機種が登場せず、いわゆる「冬の時代」に突入してしまいます。

 そんな4号機が変貌を遂げていくきっかけとなったのが、1999年。メインの抽選などを司る基板の他に、もう一つ演出用の「サブ基板」を搭載してもよい、と規制緩和されたことでした。初期の頃は画面でボーナス期待度を示唆といった程度の内容でしたが、2000年に登場した「ストック」システムなどと相まって、パチスロ人気を盛り上げていきます。

 そして同じ2000年、サブ基板によって「通常時なかなか揃わない役の押し順などをナビすることで、特定期間にまとまったメダルを獲得できる」という新たなゲーム性が誕生します。これは「AT(アシストタイム)」と呼ばれ、多くの機種が次々に搭載する人気ジャンルとなっていきました。ATが出玉のメインとなる機種も登場し、ギャンブル性は高まるばかり。業界内では、ATやストックによって爆発的な出玉を獲得できる機種を4.1号機と分類することになりました。そして「サブ基板ならいくらでもストックしてもよい」「サブ基板なら何をやってもよい」といった空気のようなものが、業界全体を支配していきます。