2020年の秋から冬に話題となった、人気機種の撤去を悲しむ「凱旋ロス」という言葉。年が明けて1月中旬、同じく人気だった『沖ドキ!(アクロス)』撤去がファンを落胆させていますが、前回の記事ではそうした「ロス状態」から思い出された、パチンコの人気機種撤去騒動などを振り返ってみました。

 しかし、「凱旋がとっかかりなのに、パチスロがほとんど出て来ない」というご指摘をいくつか頂きましたので、今回はファンを悲しませた懐かしいパチスロの人気機種撤去と、そのエピソードをいくつか振り返ってみたいと思います。

パチスロ独特の「区分」設定

 なお、スムーズに話が進むよう、最初にパチスロ独特の区分についてご紹介しておきます。パチスロでは、大きく規則や解釈基準などが変更された時、それらに準じた機種の区分を「●号機」という表現で示すのが大きな特徴です。1号機から3号機までは自主規制により各メーカー2機種までしか発売できなかったものの、4号機以降は撤廃されたため、急激に機種数が増えています。

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1985年〜1987年→1号機
1987年〜1990年→2号機
1990年〜1991年→3号機
1991年〜2004年→4号機
2004年〜2018年→5号機
2018年〜    →6号機
(※解釈の仕方により、年が異なっているメディアもあります)

今年1月、ホールから姿を消した人気機種『沖ドキ!(アクロス・写真左)』および、沖縄向け『沖ドキ!-30』 ©UNIVERSAL ENTERTAINMENT

 他にもゲーム性による種別(例…Aタイプ、Bタイプなど)や、内部規定の変更といったマイナーチェンジによって区分が細かく分かれている(例…1.5号機、4.7号機など)ところもありますが、必要があった際追って説明します。

初期のパチスロについて回った「怪しい攻略法」や「裏物」の噂

 

 パチスロの人気機種が撤去されてしまう背景は、これらの区分の移行が一番大きな理由となりますが、現在の姿(※1985年に警察庁の外郭団体である保通協での検査が義務づけられ、法律に回胴式遊技機と明記されて以降)になってから、まだ36年ほど。人気や設置台数の伸び方も急激だったことから、初期の頃はメーカー組合の足並みや規則に対する認識などがなかなか上手く揃わず、またそうした隙に付け込む業者が暗躍するなど、かなり「暴れん坊」な業界であったといえます。