先日、編集氏と雑談をしていると、何でも都内に引っ越した当初迷ったらしく、「なんで池袋って東が西武で西が東武なんでしょうね」などと言ってきた。何をトンチンカンなことを言っているのだろうと思った。
御存知の通り、某家電量販店のテーマソングになって名を馳せた“東が西武で西東武”。あの歌でも「不思議な不思議な池袋」などと言うが、実際のところどう考えたってただの偶然に決まっている。たまたま東口に西武のターミナルができて、西口に東武のターミナルができただけのことだ。不思議などなにもない……。と、あっさり切り捨ててもいいのだが、それでは少しつまらない。
せっかくなので、池袋駅の不思議をもう少し探ってみるべきだ。他に池袋にはどんな不思議が……と水を向けてみると、「あ、『いけふくろう』ってあれなんですかね。あれも最初待ち合わせたときなんだこれはとよくわからなくて……」とのこと。うーむ、たしかにいけふくろうは気になるが、だからどうしたという話ではある。
いずれにせよ、編集氏は「初池袋」で迷ったらしい。確かに池袋といえば有数の巨大ターミナル。「第2の編集氏」を作らないためにも、 “東が西武で西東武”のナゾといけふくろうのナゾを解き明かすべく、池袋駅に行ってきた。ナゾの答えはいつだって現場にあるものだ。
実は世界3位の駅・池袋には何がある?
池袋駅は件の歌からもわかるとおり、東口と西口がある。つまり線路は南北に走っているということだ。乗り入れているのはJR東日本の山手線・埼京線・湘南新宿ラインと西武鉄道、東武鉄道、そして地下鉄の丸ノ内線・有楽町線・副都心線。あわせて4社8路線だ。
JR東日本池袋駅の乗車人員は2019年度で1日平均55万8623人。これはJR東日本全体で2位、というかJR全体でも第2位という圧倒的な大ターミナルだ。西武や東武のお客も合わせれば、新宿駅・渋谷駅に次ぐナンバー3(ちなみに日本だけでなく世界でも第3位。とてつもないことである)。