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“荒れ地の小駅”だった「池袋」…世界3位のカオスな“ダンジョン駅”になる前には何があった?

2021/02/01
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西口を目指すと…

 とりあえずは西口を目指すことにする。西口にあるのは東武だと、あの歌が教えてくれているから「東武東上線」という案内に導かれて歩いていけば大丈夫。実際、すぐに東上線の改札口が見えてきた。

 

 ならば次はどこかの階段を登って地上に出よう。東武百貨店とその先の東武ホープセンターなる地下街も待ち受けているが、地下街にまで入り込んでしまえば絶対に地上に出られない気がするので、適当なところで階段を登る。

 

 すると、よく見たことのあるような大きな駅前広場の片隅に出た。まっすぐ先にはマルイがあって、さらにその先にいけば立教大学だ。東京芸術劇場と池袋西口公園も見える。にぎやかな、いかにも典型的なターミナルである。

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 周辺を少し歩いてみると、すぐに歓楽街に入り込む。池袋駅西口の歓楽街は、西口の北側を中心に広がっている。居酒屋やらカラオケ店やらファーストフードやらが入り交じり、さらに進むとラブホ街と風俗街。このあたりはいくらか危険な香りが漂う街なので、あまり深追いはしないでおくことにする。

 

駅の東西はどこでつながっている?

 ひととおり、西口をうろうろしたら東口に移ろう。池袋駅は先述の通り地上に線路が敷かれている地上駅だ。となると、地下を通るしか西口に出る手段はない。もう一度先程のコンコースに戻る手もあるが、それではつまらない。駅のすぐ近くに東西を結ぶ他の手段はないものだろうか。

 駅構内の通路以外で、池袋の東西を結んでいるルートは2つある。北側の人(と自転車)だけが通れる通路と、南側のクルマも通る大きなガード。南側のガードは“ビックリガード”という通称があるらしいが、一体何にびっくりするのかはよくわからない。

 

 今回は北側の地下道を通り抜けた。壁面にはなんだかポップな前衛アートのようなものが描かれていて、ずいぶん清潔だ。以前、ここを通ったときにはもっと古びていたはずだけど、リニューアルでもしたのだろうか。

 
 

 この地下道が結んでいるエリアは、池袋駅の北側、つまり歓楽街の中でもディープな一帯だ。だから、東口側に出ても、少し歩けば風俗店やそれに類する店がいくつもあるような場所に出る。少し歩くと例の歌でおなじみのビックカメラがあって、その前を明治通りが通っている。明治通りに沿って歩けば、もうそこはパルコに西武百貨店、西武の牙城・池袋駅東口の駅前広場だ。