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池袋の原点は山手線にある

 その中でまず降り立ったのは山手線のホームだ。池袋駅は1903年に開業した。品川から渋谷・新宿を経て赤羽方面を結ぶ路線(当時は日本鉄道品川線といった)と上野方面を結ぶ路線が通り、その分岐点に駅を設けたのが池袋駅開業の経緯だ。そしてこれらの路線はすべて現在の山手線のルーツである。ということは、山手線こそ池袋駅の原点と言っていい。

 

 池袋駅の山手線のホームは2面4線。1日中ぐるぐる回っているだけの山手線なのに2面4線とは実に贅沢である。そのホームから、コンコースに向かって階段を降りる。

 ホームから階段を降りる駅のパターンは主に2つ。ひとつは高架駅で、もうひとつは地下にコンコースがあるパターンだ。池袋駅は後者に当てはまる。

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 真ん中にJR線が通り、東側に西武、西側に東武の線路が敷かれている。それらはすべて地上に線路を敷いた地上駅なので、コンコースなどはホーム直下、地下に設けられているというわけだ。

東西南北のわからないダンジョン駅

 池袋のような巨大ターミナルは、しばしばダンジョンなどと呼ばれて道に迷ってしまうことでよく知られている。8路線も乗り入れているのだからわかりにくいのは仕方がない。

 

 ただ、幾層にも駅が折り重なっている渋谷駅などと比べれば池袋駅はシンプルだ。南北に線路が通り、それを互いに結んでいるのが地下通路。その地下通路からさらに地下に潜れば、東西に走る地下鉄各線だ。

 と、そう思って地下のコンコースに出てJR線の改札を抜けた。すると、まあこれがややこしい。改札の前の通路が池袋の東西を結んでいることはわかる。だが、どちらに行けば東なのか西なのか、それがよくわからない。

 

 さらに、南北に長い池袋駅のこと、全体の中で北にいるのか中ほどか、それとも南側なのかがよくわからないのだ(天井からぶら下がっている案内板を見ればいいじゃないかと言われればそのとおりです)。

平行に走る何本もの地下通路

 そこで通路をうろうろしてみることにする。右に左にと歩いてみると、東西の通路と垂直に交わっている、つまり線路と平行に走っている地下通路も何本もある。そしてどれも様相がそっくりだ。なんでも、オレンジロードとかアゼリアロードとかチェリーロードとか、そういう名前がつけられているらしい。が、そんなこと言われたって何もわからない。やはり池袋駅も、新宿や池袋に負けないほどのややこしいダンジョンなのだ。