文春オンライン

「残業代を付けてほしい…」ブラック化が叫ばれる“教育業界”に自ら進んだ若手教員の本音

『教員という仕事 なぜ「ブラック化」したのか』より #1

2021/02/08

 6年生の担任も体育会系の男性教員でラグビーをやっている人だった。その影響を受け、クラス男子でラグビーチームを作って練習に励んだところ、地域の小学生チームリーグで優勝することができた。

 楽しそうに5、6年の時のことを語る高藤さんの表情から、この2人の担任の存在が、後に彼を小学校教員志望にさせた遠因だろうと筆者は推測した。

公立中高一貫校に進学して

 小学校卒業後は自宅からほど近い公立の中高一貫校に進学する。両親がその中学を気に入り「受けたらゲームを買ってあげるから」と言うので受験したそうだ。入試は最初に抽選、当たった受験生が面接に進む形式だった。

ADVERTISEMENT

 天性のコミュニケーション力で新しい環境にもすぐなじんだ。しかし、「最初の定期試験でショックを受けました。それまで取ったことのないような点数を取ってしまったので」と本人は語り、その後試験勉強を2週間前からやり始めるようになった。成績面で低空飛行を続けたくないと思い、努力を始める姿勢も高藤さんの強みだと感じる。

©iStock.com

 部活動はテニス部に入った。事前に顧問から練習は厳しいと聞かされていたが、実際の活動は放課後2、3時間の練習で、定期試験前は休みだったので、さほど厳しいとは思わなかった。2年生の後半、彼は部員の互選で部長に選ばれる。意外だったが、選ばれた理由を考えてみて「おそらく部活動で色々な場面の調整役を務めていたから選ばれたのだろう」と納得したそうだ。

 中学は、好きな教科と嫌いな教科が明確になった時期でもあった。得意科目は数学と理科で、特に理科では3年時の教科担任の影響が大きかった。この教員はクラス担任でもあり、親しみやすく熱心な教員だった。授業中、つまらないオヤジギャグを連発し、生徒に冷たくスルーされてもくじけなかった。「授業では自作のプリントを使用していました。生徒が書き込む形のものでしたが、とてもわかりやすかったです」と彼は振り返る。

 苦手な科目は国語、英語。「小さい頃からあまり本を読んでいないので、何語でも文を読むのが苦手なんです」と彼は苦笑する。

関連記事