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 恋は終わるかもしれないが、母娘というつながりは一生続いていくもの。「ウチカレ」では、2人の恋愛模様よりもむしろ母娘の友愛関係をどう見せてくれるのかに期待したいです。

「半分、青い。」ファンも納得の遊び心と創作論

©文藝春秋

 最後に「ウチカレ」をさらに楽しめるポイントを2つ紹介します。

 1つめは、遊び心のある小ネタの数々。朝ドラ「半分、青い。」では「ロングバケーション」の伝説のスーパーボールシーンが再現するなど、視聴者を盛り上げる多くの工夫がなされていましたが、今作もたくさんの小ネタが用意されています。

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 たとえば第1話の碧のセリフ「ちょ待てよ。あ、キムタクになっちゃった」というキムタクいじり。これはかつて「ロングバケーション」や「Beautiful Life~ふたりでいた日々~」(00年・TBS系)でタッグを組んだ北川だからこそなせる、ドラマファン心をくすぐる技!

 ほかにも、碧は空に対し「君だってそのニットTOGAだよね? 永野芽郁が紅白で着てたTOGAだよね?」とぶっこみ。さらに碧の変わりに雑誌で連載を持つイケメン俳優の中川トモロウは、朝ドラ「かんかん照り」でブレイクしたという設定で、こちらは「半分、青い。」に出演した中村倫也の名前をもじっています(中川トモロウ役でリアルに本作にも出演してほしい!)。

 そのすべてのネタがうまく生きているのは、セリフのテンポがいいから。「半分、青い。」に出演していた風吹ジュンが以前インタビューで「泣きが入ったり、怒りが入ったり、北川(悦吏子)さんの本は譜面に書けないリズムのような面白さがあって、自由ですごく楽しいんです」と語っていました。

 このドラマもまさにそのリズムがうまく作用しているように思います。予定調和のない、慣れないテンポに違和感を覚える視聴者もいたようですが、これには中毒性があるんです。観ているうちに不思議とクセになり、どんどんハマってしまうんですよ!