1ページ目から読む
6/6ページ目
もう1つは、「創作論」。これは「半分、青い。」にも共通します。「半分、青い。」では主人公の鈴愛は漫画家を目指し、秋風先生(豊川悦司)のアシスタントになります。
「いいか、半端に生きるな。創作物は人が試される。その人がどれだけ痛みと向き合ったか。憎しみと向き合ったか。喜びを喜びとして受け止めたか。逃げるな」
「マンガにしてみろ。物語にしてみろ。楽になる。救われるぞ。創作は、物語を作ることは、自身を救うんだ。私はそう信じている。物語には人を癒やす力があるんだ」
など、劇中で語られる秋風先生の語録には、胸を熱くした人も多いはず。これらはきっと脚本家である北川悦吏子の、創作に対する嘘のない思いのように感じます。今作では主人公は小説家、そして娘は第2話で漫画創作に興味を示す展開となっています。テーマのひとつとして、登場人物たちのものづくりに対する思いや、創作を通してのそれぞれの成長にも注目してみてはいかがでしょうか。母娘が恋よりも大切なものを見つけられるか、今後も楽しみです!
綿貫大介
編集者・ライター・TVウォッチャー。著書に『ボクたちのドラマシリーズ』がある。
Instagram @watanukinow
Twitter @watanukinow