鬼滅、呪術廻戦…… 今のヒット漫画に共通する“ある描写”
2020年、映画史が動いた。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、日本国内の映画興行収入歴代1位に到達し、その年の全世界の映画興行収入においても第5位を記録したのだ。
新型コロナウイルスの影響で全世界的に映画興行が大打撃を受けているとはいえ、この数字は快挙。
また、同じ週刊少年ジャンプの作品『呪術廻戦』は、テレビアニメが放送されるや新規層にまで一気に熱が広がり、各書店でコミックスが売り切れる事態に。
2021年1月には、シリーズ累計発行部数が2,000万部を突破した。テレビアニメは第2クールに突入しており、今後ますます数字を伸ばしていくことだろう。
コロナ禍のなか、改めて、漫画/アニメの強さを感じさせる今日この頃。
『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』はそれぞれに独自の輝きを放っているが、ともに爆発的な人気を獲得している点からみて、いまの時代性にフィットしているということは疑いようがない。
では、それは何だろうか? 両作品ともに際立っているのは、ベクトルこそ違えど「死の描き方」、さらに言えば「心身の追い込み方」ではないか。
もちろん、バトル漫画であれば心身を追い込む描写はあって然るべきなのだが、近年はそのレベルが、よりハードになってきた印象だ。
特に、登場人物のメンタルへの負荷のかけ方が、従来の作品以上に強まっている。そして、この観点で現在の人気漫画を見渡してみると、同様の特長を有したものが目立つ。
これをただ「残酷になってきた」と片付けてしまうのは早計で、どちらかといえばより「リアル志向になってきた」といえるだろう。たとえばファンタジーにリアルな“痛み”を持ち込むなど、現実との接地面が多い作品が続々と台頭してきたイメージだ。
心身の追い込み方が際立つ、リアル志向のファンタジー漫画5作を紹介
ということで今回は、現在の人気漫画のひとつのトレンドといえる「心身の追い込み方が際立つ、リアル志向のファンタジー」というテーマで、オススメの最旬漫画を5作厳選してご紹介する。