三谷幸喜作品に人気が集まるのは「当然の結果」
「龍馬伝」ではスター福山の颯爽とした姿と香川照之のある意味泥臭い芝居の対比が見どころのほか、龍馬の妻・龍に真木よう子、岡田以蔵に佐藤健、芸妓・元に蒼井優など当時のフレッシュな若手の起用によって若い世代の視聴者の興味も引いた。
大河ドラマが跳ねるのは、戦国や幕末などの誰もが知っている登場人物を中心に、それと対比する人物が魅力的であることと、確かな時代考証と新たな知見、女性や若者などにも受ける話題性をうまく盛り込めた場合といえる。その様々な要素を過不足なく盛り込み、1年間、物語として完成度の高いものを描ける実力ある作家は多くない。昔ながらの大河ファンも満足させつつ、オリジナリティあふれる物語を編む三谷幸喜作品に人気が集まるのも当然の結果だろう。
アンケートの結果は21世紀以降の近作が挙がりやすいという傾向も見られるなか、歳月を経てもなお根強いのは、7位にランクインした「独眼竜政宗」(1987年)と14位の「黄金の日日」(1978年)、16位の「国盗り物語」(1973年)。これらの人気は直近の記憶と関係ない名作の風格が漂う。
今後3年間の大河ドラマにも期待
【戦国】【幕末】【三谷幸喜】【堺雅人】のキーワードから見ると、2月14日からはじまる「青天を衝け」は【幕末】、2022年度作品「鎌倉殿の13人」は【三谷幸喜】脚本、2023年放送予定の「どうする家康」は【戦国】ものと人気の要素がひとつずつ入っていることから、今後3年間の大河ドラマも期待して良さそうだ。そこに堺雅人が出れば完璧であろう。