新型コロナウイルスの影響もあり、破竹の勢いで売れ続けるNintendo Switch。累計販売台数は7987万台を越え、任天堂のゲーム機としては歴代3位の売り上げを記録するほどの人気となった。

 さて、では「そのNintendo Switchでいま最も売れているゲームソフトは何か?」と聞かれたら、おそらく多くの人は、流行しており全世界で3118万本を販売した『あつまれ どうぶつの森』と答えるだろう。しかしそれは間違いで、正解は『マリオカート』シリーズ(通称『マリカー』)の最新作、3341万本を記録している『マリオカート8 デラックス』なのである(*1)。

*1 販売本数の各種データは、任天堂「2021年3⽉期第3四半期 決算説明資料」より。

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『マリオカート8 デラックス』(2017年)/任天堂公式サイトより

 このゲームは、約7年前にWii Uで発売された『マリオカート8』に各種要素を付け加え、2017年に改めてNintendo Switch向けにリリースした作品だ。だいぶ前の作品にも関わらず未だに売れ続けており、勢いのある『あつまれ どうぶつの森』に負けていない。なぜここまで『マリカー』は売れ続けるのだろうか?

もはや定番になったゲームの強さ

『マリカー』は、マリオやルイージ、そしてクッパといった馴染みあるキャラクターたちがカートやバイクでレースを繰り広げるゲームだ。単純にレースをするだけでなく、「アカこうら」を相手にぶつけてスリップさせたり、「ダッシュキノコ」で一気にスピードアップしたりと、アイテムでレース状況が大きく変わるのも特徴となっている。もはや、こういった説明が不要なくらい有名な作品といえるだろう。

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 『マリカー』最新作である『マリオカート8 デラックス』も品質が高く、グラフィックも美しければ「反重力エリア」でマリオたちが壁や天井を走るなどの特徴がある。しかしながら本作だけが極端に何か目新しいものを持っているわけではなく、どちらかといえば安定したクオリティの作品といえよう。

『マリカー』はもはや“定番のゲーム”だ。任天堂のゲーム機を購入したのであれば、一緒に買っておけばきちんと楽しめるであろうという信頼を得た作品になっているのである。