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 つまり、「『マリオカート8』を遊びたいけれども、Wii Uを買わなかった」という潜在的なユーザーは非常に多く、それがNintendo Switchのヒットによってあぶりだされた。いわば、Wii Uが売れなかったことによって『マリオカート8 デラックス』がものすごく売れたのだと考えられる。

 このような“Wii Uで販売されたソフトをNintendo Switch向けにも展開する手法”はほかにも行われており、たとえば『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』や『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』が該当する。前者は982万本のヒットを記録しており、これから発売される後者もかなりの販売数を期待できるものと思われる。

コンシューマー機そのもののクオリティ

 もちろん、Nintendo Switch自体が優れているのも忘れてはならないだろう。通常のNintendo Switch本体を購入した場合、自動的にJoy-Con(コントローラー)がふたつ付属する。これさえあれば2人プレイが可能なので、『マリオカート8 デラックス』のように友人や家族と遊んで楽しめる作品と非常に相性がよい。

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©iStock.com

「Wii Uは失敗したが、Nintendo Switchは成功した」と語られがちなものの、そのふたつはまったく分断されているわけでなく、ゲームソフトの面では地続きになっており、それゆえに成功している側面もあるのだ。自社でゲーム機を作り、かつ品質の高いゲームソフトも手掛けている任天堂ゆえの強みといえるだろう。

忘れてはならないスマホ版『マリカー』の存在

 また、スマートフォン向けに展開されている『マリオカート ツアー』の存在も重要だ。本作は2019年9月に配信された作品で、スマホで気軽に『マリカー』の雰囲気を味わうことができる。

『マリオカート ツアー』(2019年)/任天堂公式サイトより

 とはいえ、『マリオカート ツアー』はスマートフォン向けかつ基本プレイ無料のタイトルなので、やはり家庭用ゲーム機で展開される『マリオカート8 デラックス』のような作品とはゲームの内容が異なってくる。ゲームはビジネスモデルでプレイヤーに遊ばせる内容が大きく変化し、同じ名前を冠していても実態はかなり異なるのだ。