『マリカー』新作発売時に起こるおもしろい現象
信頼を勝ち取った『マリカー』にはおもしろい現象が起こる。新作タイトルが出ると、なんと売り上げランキングに過去作が顔を出すこともあるのだ。もちろん新作と過去作では内容が異なるものの、あまりにも定番すぎて「とにかく『マリカー』を遊びたいが、新しいゲーム機がない・買えない人がいるために、過去の『マリカー』も売れる」といった現象が起こるのである。
つまり、よほどの問題がなければ『マリカー』は売れる作品なのだ。多くの人が遊んだことがあり、カジュアルで親しみやすい。ここまで信頼されきっているゲームは、本当に数少ない貴重なものだ。しかし、それだけで最も売れたタイトルになるだろうか?
本当に“誰でもプレイできる”作り
『マリオカート8 デラックス』で注目したいのが、コースアウトを自動で防いでくれる「ハンドルアシスト」と、操作しなくてもアクセルを踏んだ状態になる「オートアクセル」機能だ。このオプションを選択すると、ほとんど何もしなくてもレースができてしまうほど親切なのである。
これさえあればゲーム慣れしていない人もレースを楽しめるようになるわけだが、「それはあくまで救済要素であって、売れる理由とは違うのでは?」と思うだろう。しかし、こと『マリカー』においてこのシステムは重要になってくる。
前述のように、『マリカー』は定番となっているタイトルだ。1992年にスーパーファミコンでシリーズ初代が発売されてからというものの、任天堂のゲーム機が出るたびに発売されている。ニンテンドーDSの『マリオカートDS』から一段と人気が高まり、さらにメジャーな作品となった。
定番となった理由は複数ある。多くの人が楽しみやすくわかりやすいルール、出現するアイテムによって順位が変化するためほどよく運が絡むシステム、そして互いに妨害しあうのにほのぼのとした絵面になる工夫などが挙げられるが、そのどれもが「気軽にみんなが楽しめるゲーム」になるための要素なわけだ。