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「これが養成所だったら講師陣が豪華すぎるだろ(笑)」プロが語る「笑いの学校」

著者は語る 『笑いの学校』(まんじゅう大帝国 著)

「人のアドバイスなんか聞かない方がいい」という風潮に疑問

 そして今を時めく講談師・神田伯山氏や落語家・春風亭昇太氏も登場。古典芸能と漫才の間に境界を設けず、「笑い」を軸にしたインタビューを行っている。

田中「僕、本当は大学でお笑いをやりたかったんですけど、大学にお笑い系のサークルがなくて……。消去法で落研に入って、そこで落語の面白さに気付きました。漫才と落語って、人を笑わせるのは共通していて、一つの歴史の中にあると思うんです。漫才はお笑いの近代史みたいなものだと」

竹内「洋七師匠からは、お笑い近代史の始まりである80年代の漫才ブームがどうやって出来上がったのかも学ぶことができました。その一方で、それまで『笑い』の真ん中にいた落語が、不遇の時代を迎えていた話も昇太師匠から伺いました」

 インタビューでは演芸界の師弟制度も話題に上った。

田中「ナイツの塙さんは内海桂子師匠の弟子ですが、漫才協会では師弟制度を廃止したそうです。漫才で師匠に教わることはないとも仰っていましたが、一方で『人のアドバイスなんか聞かない方がいい』という風潮にも疑問が残ります。これからの時代、師弟制度がどうなるのかも考えました」

まんじゅう大帝国/右・田中永真さん 左・竹内一希さん

 講師陣はそれぞれの立脚点から2人の今後に示唆を与える。文章からは楽しげな現場の雰囲気が伝わってくる。

田中「これだけ語ってもらったので、まだ呑み込めていないこともあります。伯山先生の時は、聞いているうちに竹内が話を処理できなくなって、フリーズしちゃった。おかしなタイミングで相槌を打ち始めて、これはやばいと思ったよ」

竹内「脳の限界を超えた感じでした。そんなに多くの情報量が入ってくること、普段はないから。今も授業中で、言われたことを考え続けている状態です」

田中「自分でいうのもなんですけど、この本は僕たちの名前がないほうが売れると思うんですよ。まんじゅう大帝国の本ではなく、お笑いの参考書だと思って手に取っていただきたいです」

田中永真(たなかえいま)/1993年、北海道生まれ。東京理科大学中退。第5回てんしき杯学生落語トーナメントで優勝。
 

竹内一希(たけうちかずき)/1994年、東京都生まれ。日本大学卒業。第7回てんしき杯で準優勝。

笑いの学校

まんじゅう大帝国

河出書房新社

2020年12月18日 発売

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