ポイント2.不倫相手に対して妻子の存在を隠していたか
A子さんの夫が不倫をした相手は取引先の女性だったので、夫が既婚者であることは当然知っていました。さらに夫はスマホの待ち受け画面に長男の写真を設定し、興信所の写真には、不倫相手と2人で歩くときでも結婚指輪をつけたままの姿が写っていました。つまり、夫は「自分は結婚していて、君は不倫相手」というスタンスを取っていたということです。
それが「妻のプライド」をくすぐり、A子さんは夫を恨むよりも「手に入らないと知りながら関係を持った不倫相手の女性」に対して哀れみのような気持ちさえ持ったと言います。
ポイント3.家庭と不倫相手のどちらを優先していたか
とはいえ夫が結婚している事実を隠していなくても、「妻より君の方が大切だ」とラブラブムードを演出していれば話はまったく別です。そうなれば「妻のプライド」は崩れ去り、軽んじられたことへの怒りが溢れだしたことでしょう。
しかし、A子さんの夫は不倫相手に対してLINEで「家庭が優先なので週末はダメ」と送信したり、クリスマスや不倫相手の誕生日に会うことも断っていました。その事実がA子さんに、「家庭が一番で、今回のことは火遊び」と自分を納得させる材料になったのです。
ポイント4.不倫相手に対して離婚をチラつかせていたか
A子さん夫婦の関係は良好だったので、離婚の話が出たことはもちろんありませんでした。A子さんの夫は「ずっと一緒にいたい」という不倫相手に対して「自分は離婚はしない」と返信していました。「早く一緒になりたい」、「出会う順番が違っていれば」と甘い言葉をささやく既婚者は多いですが、それすらしない塩対応にA子さんは「最終的には自分のところへ帰ってくるのだ」と感じたと言います。
「相手の女性は、夫が既婚者だと知っていて、略奪の見込みもなく、バレれば慰謝料を請求される可能性さえあるのに関係を続けていたんです。そう思ったら“優越感”のような感情が湧いてきて、怒りが少し収まりました。それでよかったのかはわかりませんが……」