離婚の直接的な原因として最大のものといえば、やはり「不倫」です。中でも、「妻が妊娠中の不倫」が夫婦関係に与えるダメージは深刻です。

 子供が生まれる直前、生まれた直後の大変なタイミングで離婚トラブルまで抱えて、精神的に参ってしまう女性も多いのです。最近も、フリーアナウンサーの小川彩佳さん(36)の夫・豊田剛一郎さん(36)の不倫が発覚して騒ぎになりました。

 小川さん夫婦がどんな決断に至るかはわかりませんが、筆者はこれまでに8000件以上の離婚相談案件を行政書士として扱ってきた経験から、不倫後に夫婦が「離婚するか、関係再構築を目指すか」を左右する“6つの分かれ道”があると考えるようになりました。

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写真はイメージです ©iStock.com

 今回は過去に相談を受けたA子さん(29歳)と、会社経営者の夫(36歳)のケースをサンプルに、離婚と再構築を分ける意外なポイントを紹介したいと思います。

〈家族構成と登場人物〉
A子さん:29歳・専業主婦
夫:36歳・会社経営者
長男:3歳
不倫相手の女性:34歳・夫の会社の下請け企業の社員

プロローグ:不倫発覚までの経緯

 A子さんと夫の出会いは、夫が経営するアプリ制作会社の社長と派遣社員という関係でした。夫はA子さんの前には別の派遣社員女性と交際していましたが、二股の末にAさんを選んで結婚。長男が3歳になると同時に2人目を妊娠し、3カ月ほどが経ったころのことでした。

 ある日A子さんは、夫が普段使っているものとは違うスマートフォンを見つけました。手に取って何気なく画面をタッチすると、ホーム画面に「会いたいね」というLINEの通知が表示されていたのです。

「愛している」という甘いLINE

「夫は小さいながらも会社を経営しているので仕事時間はもともと不規則で、出張や徹夜で外泊をすることも多い人でした。家事や子育てはほぼ私がひとりでやっていましたが、それでも大事にされている感覚はありました。2人目を妊娠していた頃からは毎週のように出張が入っていましたが、あのLINEをみるまではほとんど疑いすら持っていませんでした……」

 迂闊にもロックがかかっていなかったスマホを開けると、LINEの履歴は「愛している」「今度は〇〇へ行こう」など甘い言葉のオンパレード。履歴をさかのぼると最初のやりとりはちょうどA子さんが妊娠した頃で、文面から不倫相手が下請け会社の女性プログラマーであることも判明しました。