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1年間で教科書の20ページほどしか進まなかった授業

 大学の教授から送られてくるPDFの教材を読んで、その感想を書いては提出、書いては提出の繰り返し。週に3回ほどZoomで少人数制のゼミや語学の授業があったが、Zoomに不慣れな教授の授業では毎回何かしらトラブルが起こる。その結果、全く授業が進まず1年間で教科書の20ページほどしか習わなかった……。

 余談だがZoomで行われていたゼミの授業は顔出しをせずに進められた。そのため、未だにゼミ仲間の顔を知らない。

 同じ授業料を払っているのにも関わらず、対面で授業を行っていたときとは授業の充実度が雲泥の差である。

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 毎日同じことの繰り返しなので、授業に対するモチベーションも下がり、だんだん自分が何をしているのかわからなくなるときもあった。なにか気分転換になることをしたくても、遊びにもいけないためストレスは溜まる一方。

©iStock.com

 バイト仲間とワイワイ騒ぎながら仕事をしていた日々や、留学中の楽しかった日常がまるで夢だったような気さえして、虚しい1年間を送った。辛い日々を、まわりの友達と相談し合うことで乗り切ったわけだが、そこでは様々な相談を持ちかけられたことを鮮明に覚えている。

「休学しようかな」一人暮らしの家に籠もり続けガリガリに

「このままコロナが続くんだったら、休学しようかなって。なんか疲れちゃったんだよね」

 ある日、別の大学に通う女友達から、こんな相談をもちかけられた。その友達は同い年で同郷。筆者と同じく上京して一人暮らしをしているため、コロナ前は定期的にカフェなどで会ってはお互いの近況を報告し合っていた。

 一度目の緊急事態宣言が解除された後は、月に1回ほどのペースで会っていたのだが、会う度にだんだんと体がやせ細っていくのがわかった。あまりにもガリガリになっていくので、心配になり休学の話など、近況を詳しく聞いた。

「最近ご飯が食べられなくなって。一人暮らしだと、だんだん作るのも食べるのも、外に出ることさえ面倒になってくるんだよね。毎日同じようにオンライン授業受けてさ。だんだん歪んだ食生活になってって、寝れば食べなくてもいいって考えるようになってから、睡眠時間を長くして1日1食しか食べなくなった。なんなら何も食べない日が3日くらい続いて。本当に空腹で死にそう、精神的にもヤバいってなったときに、友達から連絡が来て、会って話してご飯食べて、なんとか保ってるって感じ。コロナがあるからそんな頻繁には会えないけどね」