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日本のスマホゲー“ガチャ”全盛時代がついに終わる? 新しい流れを象徴する3タイトルとその理由

2021/03/09
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日本では“これから”な2タイトル

 一方で海外では伸びているものの、日本ではまだ“これから”と目されているゲームもある。『Among Us』と『Roblox』はその代表例だろう。

『Among Us』は宇宙を舞台にした“人狼”的なゲームで、操作は単純な割に深みのある心理戦が繰り広げられる、モバイル端末にうってつけのゲームだ。人狼的ではあるが、コンピューターゲームならではの演出やルール設定もあり、誰でも楽しめるエンターテインメント性の高い仕上がりになっている。

『Among Us』 Google Playより

 2018年のリリース以来長らく日本語には対応していなかったが、2020年の世界的な人気急上昇を受け、12月に待望の日本語版がリリースされた。

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 参加へのハードルが低いカジュアルなゲームだが、1ゲームのプレイ時間は10分~20分とそれなりに長い。ゲームに使えるまとまった時間がなければ、これほど劇的な流行をすることはなかっただろう。その意味では、コロナ禍がトレンドを後押ししたと言える。

アメリカの16歳以下の過半数が遊ぶゲーム

 日本でも人気が急上昇している『Among Us』と比べて、これからの伸びがより期待されるのが『Roblox』だ。『Roblox』はゲームを自分で作れるSNSのようなもので「サンドボックス」という愛称もついている。サンドボックスというのは砂場のことで、砂場に集まる子供たちが自分たち自身で遊びを創造し、コミュニティを形成するイメージが重ねられている。

『Roblox』 公式PVより

 プレイヤーは『Roblox』の中で独自のゲームを開発し、他のユーザーが開発したゲームを遊びながらコミュニケーションを取ることができる。ゲーム制作は子供でもできるように配慮されており、アメリカではユーザーの多くは16歳未満だ。

 開発国であるアメリカでの支持は熱狂的で、全米の16未満人口の半分以上(3000万人以上!)が『Roblox』のアカウントを保有している。プレイヤーたちが作った多様なゲームが混在しているので、特定のゲームジャンルファンでなくとも馴染みやすいのも特徴だ。

『Roblox』公式PVより

 初リリースは2006年だが、スマホ版がリリースされた2010年代半ばから人気が上昇。さらにコロナ禍によって家から出られなくなった子供たちは『Roblox』で集まり、その中でゲームを楽しむようになった。そしてユーザーたちが最も楽しんでいるのは実はゲームそのものよりもユーザー同士のコミュニケーションで、1つのゲームというよりSNSコミュニティとさえ言える存在に成長している。