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大圡 さださんは3.11の前から被災地に行ってたんですか?

東日本大震災で被害を被った町 (「BOND & JUSTICE」提供)

売名行為と言われようと・・・現場を見て吹っ切れた

さだ 本当はね、阪神・淡路大震災の時も何かしたかったんだけど、悪いけどあの頃、僕は大借金の真っただ中だったの。

大圡 (笑)。

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さだ せいぜい支援物資を送ることしかできなかった。初めて被災地に行ったのは2004年の新潟県中越地震の時。山古志村に知り合いがいて行かせてもらったの。でもそれまでは僕、実は売名行為って言葉が怖かったな。芸能人って傷つけられて生きてきているからさ(苦笑)。

大圡 色々言ってくる人間っていますもんね。

さだ ずーっと色んなこと言われてきてるから慣れてはいるんだけど、売名行為って言われちゃうとね、「そんなつもりでやってんじゃねえのにな……」って、ふっと気持ちが切れちゃう瞬間がどうしてもある。

さだまさしはリモートで対談

大圡 そういうこと言う人ってなんなんですかね? 自分も「お前ボンジャスで儲かってるんだろ?」って言われたりします。

さだ ひっどい話だね。それ現場に来てない人間でしょう?

大圡 そうです。

さだ やっぱりね。僕が吹っ切れたのは、やっぱり石巻で被災地の現場見てからだな。あの惨状を見たら何言ってんだバカやろうって、僕らが何かしようとしてることに対して揶揄してくる連中に怒りが湧いてきた。「照れずに何でもやるぞ!」って気持ちにさせてくれたのは、石巻の「明友館」(※リーダーの千葉恵弘さんを中心に、在宅避難者や他の避難所に救援物資を届けた「支援する避難所」。その活動は集英社新書で「笑う、避難所 石巻・明友館136人の記録」として書籍化されている)を見たことも大きいかな。

東日本大震災の時に避難所に届けられた救援物資 (「BOND & JUSTICE」提供)

大圡 千葉さんの避難所ですね。ボンジャスとはスタイルは違うけど、千葉さんも志が同じというか、自分からしてみれば「石巻の先輩」という感じです。

ヤンキーは「一度お世話になったら、何か返す」っていう感覚

さだ 大圡君とつなげてくれたのも千葉君だよね。今は「風に立つライオン基金」の副理事長になってもらってるけど、彼も元ヤンキー。

大圡 千葉さん、見た目からバリバリヤンキーですもんね。自分はさださんが思ってるほどヤンキーじゃないですよ(笑)。

さだ いやいや、ヤンキーだからいいんだよ。ヤンキーってやっぱりすごい。4月に初めて石巻に入った時、千葉君の話を聞いて本当涙が出るかと思った。東京から新潟経由で仲間のヤンキーがガンガン支援に入って、千葉君を助けたりしてたんだよ。そういう所はボンジャスも一緒だと思うけど、仲間の気持ちが熱い。