さだ 軽トラね! あれは目から鱗だった。カーコンビニ俱楽部が普段から「ライオン」を応援してくれているので、「社長探してください!」って頼んだらすぐ送ってくれたんだよ。
大圡 まだ道も復旧してなくて瓦礫まみれの時期だったから、大きい車じゃ入っていけなかったけど、軽トラだと小回りがきくんです。荷台に物資を積んでピストンしたり、高圧洗浄機も積んでいけるから助かりました。
さだ こんなこと言うのも口幅ったいけど、「ライオン」は公益財団法人だから何でもオッケーなわけではないの。でも何を優先するかって言うと、やっぱり現場の声。本当に必要な物は欲しいって言ってくれって頼んでる。
あと大圡君にもうひとつ教えられたのが、「現場で調達できるものは現場で買わせてくれ」ってことね。「現場にある物をわざわざ東京から送らなくていい」って言われたのは目から鱗だった。
大圡 送っちゃうと送料もかかるし、被災地に少しでもお金落とせるようにしたいんです。
炊き出しに使う鉄板の上に布団敷いて寝ましたね(笑)
さだ でも自分たちの食料や宿はどうしてるの? 電気も水道も復旧してない中でどうやって生きてるのかいつも不思議なんだけど。
大圡 宿代はバカにならないんで、いつも被災地に行く途中で誰か泊めてくれる人いないか、知り合いを辿ってお願いしてます。2020年の熊本豪雨の時は剣道場に寝泊まりさせてもらったり、2016年の熊本地震の時はハイエースに4人で、炊き出しに使う鉄板の上に布団敷いて寝ましたね(笑)。
さだ うわあ、すごいねえ。過酷だ。
大圡 でも熊本地震の時は自分らだけじゃなくて、避難所に入らずに車中泊する人も多かったんです。ペット飼ってたりして、避難所に泊まれない人が車に避難していたから、自分たちは車中泊セットを作って配りました。乾電池、ウェットティッシュ、ナプキンだったり携帯の充電機だったりを。
さだ 10年間蓄積してきた経験があるから、そんな臨機応変なこともできるんでしょう。でも僕も君たちが支援活動のために何を犠牲にしてるのかってことは、ある程度は理解しているつもり。災害地に行くために生きているわけじゃないじゃない? だから僕も強引に被災地に行ってくれとは言えないんだよ……。一度言ったっけ?
大圡 「ねえ大圡君、行くよね?」って言われたことはあります(笑)。でも自分は震災からボンジャス中心で活動してるけど、他のメンバーはミュージシャンだったり他に仕事を抱えながら参加してくれるので感謝してます。