さだ 大圡くんと初めて会ったのも、岡山で炊き出ししている時だったね。
大圡 あの時は羅王さんという岡山が地元のレゲエアーティストの先輩が、被災直後から炊き出しをやってたんです。自分はそこに助太刀に入る感じだったんですけど、3人で300人分の炊き出しを作るから、朝4時から夜11時までぶっ通しでやってましたね(笑)。
さだ 何度も言うけどさ、「こんな熱い連中がいたのか!」ってその行動力に惚れたよね。行政に地震の3日後に炊き出しをやってくれって言っても普通は無理。でもボンジャスは勢いでやっちゃう。そこがヤンキー魂。
大圡 考えるより動く、みたいなところはあるかもしれませんね。でも最初、仲間が避難所に入ったら追い返されたことがあったんですよ。理由は「顔が怪しいから」(笑)。本人が本気で怒っていたので、「鏡見てきてみ?」「すげー怪しい」って仲間でゲラゲラ笑いました。
さだ たしかに見るからにヤンキーばっかりだもんね(笑)。
大圡 当時は被災した家屋から盗む窃盗団が問題になってましたから、それも仕方ないんですけどね。「お前らになにができるんだ」って言われたこともあります。だから今は始めに「とにかく一食だけ炊き出しをやらせてください」ってお願いして、自分たちの活動を見てもらってから人間関係を築くようにしています。
「動く支援」と「支える支援」の両輪があって成り立つ
さだ 「ライオン」で協力させてもらう態勢を取ってから、長野や丸森の時も(2019年、長野県千曲川や宮城県阿武隈川が決壊した台風19号による水害)、去年の人吉(2020年、熊本豪雨)でも色んな災害で一緒にやってきたけど、「さださん、被災地に入っていいですね?」って電話が来る時には、いつも君すでに入ってるよね?
大圡 事後報告ですいません(笑)。
さだ いやいや、「ライオン」もそれに助けられてるの。まだ被害も生々しい中で、他の人が入れないとこに入っていく人間にしか伝わってこない情報っていうのがあるわけ。マスコミがヘリを飛ばしても得ることができない貴重な情報で、僕らはそれを幸いなことに君からもらえるわけ。だから「俺たちが手伝えることはこれだ!」って開き直って、足りない物資を送ったりっていう後方支援ができる。
大圡 自分もさださんがいるから開き直れるところはあります。被災地支援って「動く支援」と「支える支援」の両輪があって成り立つものだと思ってるんです。人吉の時だって、さださんが送ってくれた軽トラがどれだけ役だったか。