将来の回収より目先の信用情報
お金を返せなくなってしまうお客さまを見ていると、どうも必要以上に交際費と冠婚葬祭費に多くのお金を使ってしまっているふしがあります。
たとえば、2ヶ月前に派遣された部署で知り合った同僚で、ランチをたまにグループで食べる程度の知り合いがいたとします。そしてある日突然、その知り合いから結婚式の招待状が届きました。立場もあるし、せっかく招待してもらって悪いという気持ちはわかりますが、どうしてもこの結婚式に出る必要ってあるのでしょうか?
休日の朝から割増料金を払って美容院で髪の毛をセットして、誰も知り合いがいないテーブルに座って……履きなれない華奢なハイヒールで足にタコを作って、家に帰ると疲れ果てて一日が終わってしまう……。
批判は承知で申し上げますし、価値観は人によっていろいろなのは分かっていますが、そこに3万円+αの価値があると、私には思えないのです。
「ここはやはり、人間関係にテコ入れをする必要があるのでは⁉」
毎回支払いが遅れてしまうお客さまの支払い相談を聞いていると、つい喉元からそんな言葉が出てきてしまいそうになります。
「すみません、月末の給料で入金するって約束してたんですが、ちょっとまた冠婚葬祭費がかかっちゃって……」
(お、お客さまー! これ以上延滞したら信用情報に影響が出ちゃうんですよー!)
でも人は、出席をしてしまうのです。借金を踏み倒してさえも……。
その人間関係、おいくら?
冠婚葬祭での出費が原因で借金をしてしまうお客さまは、とても優しい人ばかりです。気前も良く、打算抜きで人とつき合う懐の深い人たちです。だからこそ、不毛な人間関係にお金を使うのは、ぜひ考え直していただきたいと、私は思ってしまうのですが……。
人間関係をお金に換算するのが忍びないなら、自分が誰かに使えるお金の枠をあらかじめ決めておくのはいかがでしょうか?
ひと月や一日に使える交際費を決めて、上限に達したら絶対に断る。つき合いだけで行く飲み会、だらだらと朝まで続く3次会、4次会。それらをキッパリと断ればお財布も温かくなるハズ。
どうか優しさからお金を使ってしまう人が、少しでも減りますように……。