信用情報が悪化すると…
でも、信用情報はこんなに身近な存在なのに、詳しく教えてくれる人はなかなかいません。
だから、自分の口座に入金するのをうっかり忘れていたり、延滞で信用情報に傷がつくことを知らなかったり、信用情報の存在とそのしくみを知らなかったために、不便な思いをしているお客さまがたくさんいます。
私は督促というお仕事の中で、ちょっとしたことで信用を失ってしまったばっかりに、いざ必要なときにお金の用意ができずに困っているお客さまをたくさん見てきました。
「今お金がないと困るんだ、どうにかして貸してくれないか!」
「どうしても早急にお金が必要なんです!」
お客さまの必死の訴えを聞くたびに、やりきれないなぁ……といつも思うのです。
こんなに信用情報が悪化する前に、もし最初にこのお客さまが支払いを延滞したときに、信用情報が悪化するデメリットを伝えられていたら、今違った結果になっていたかもしれないな、といつも悔しく思います。
督促OLからのお願い
私もお金を失うのは怖いです。こんな世の中、いつ会社をクビになるかもしれないし、この先どうなっていくのか不安でしかたありません。でもお金以上に、実は「信用を失うことのほうが怖い」と、お客さまと接しているうちにひしひしと感じるようになりました。
約束を簡単に破ったり、いつも待ち合わせに遅刻をする人たちは、少しずつ「信用」を失っていきますよね。
そしてそれを繰り返していると、カードの支払いを延滞し続けて信用情報が悪化してしまうように、信頼関係を失って、本当に困ったときに助けてくれる人が誰もいなくなってしまうのです。
「信用がある」というのは、究極的には本当に困った状態になったとき、どれだけの人が自分の命を助けてくれるのか、ということなのかもしれません。
もし、今大災害が起きて、なんの助けもない無法地帯の中で身一つになってしまったとしたら。
誰かあなたに食べ物をくれますか。
安全な寝床を提供してくれますか。
極限の状態になっても、あなたを助けてくれるのは、きっと日ごろあなたが信用を積み重ねてきた相手だけだと思うのです。
お金の信用もきっと同じことだと思います。
信用を失ってしまった人には、本当に困ったとき、誰もお金を貸してはくれません。信用は価値やメリットとも言い換えることができるかもしれませんが、信用度が高ければ高いほど、困ったときに周囲が助けの手を差し伸べてくれます。
どうか「信用」を大切にしてください。
お金の問題なんかで信用を失わないでください。
そして、どうしてもお金を借りなければいけない事態になったとしても、私たち貸す側のことも十分に知った上で、利用していただきたいのです。私たちが逆にうならされるくらいお得に借金をして、カードを使っていただけたら。それだけが、私の願いです。
【前編を読む】機械審査が通ってもお金が借りられない!? 融資会社が見ている“信用情報”以外のポイントとは