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「清楚系女子」ほど強さを感じる

──カップルの男は年上の総合職で女は年下のOLという設定といい、最初はあまりにもキャラクターがステレオタイプなのではないかと引っかかっていたのですが、だからこそ「男女逆転」の意図が伝わる作品なのだとわかりました。

 美月のキャラクターは現実の女性アイドルを意識しています。当て書きしたわけではないんですが、アイドルみたいな清楚系の女の子って、一般的な男性は「かわいい」「守ってあげたい」なんて思うのかもしれませんが、私は「強さ」を感じるんです。かわいさが仕上がりすぎていて「強い」というか……。

──鎧をまとっているように見えるわけですね。

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©文藝春秋

 異性ウケよりは、自分の中で、この眉毛はこう、前髪はこうじゃないと、みたいな強いこだわりがあるはずなんですよね。男性目線だと清楚系って隙があるように見えて、だからこそ「守ってあげたい」からの「抱きたい!」みたいな気持ちになるんでしょうけど、私からしたら清楚系に仕上がってる女の子はすごく「強く」見えるので、攻めになるというのは自分の中では自然でした。

──一方、そのお相手はというと……。

  女の子に強さがあって攻める気質なら、男の子は葛藤があって、だんだん開発されて、受けに回る感じにしようと。そういうときに、やはりギャップが大事だから、自分が関わったことないぐらいのスーパーエリートにしちゃいました。設定を考えていったらどんどんハイスペックになっちゃって(笑)。商社マンとか会ったことないのに……。本編には出してませんが、篠宮は高学歴で、週2でジムに通い、週末はフットサルをやっています(笑)。

「女の子が抱いちゃダメですか?」

──ほんとにそんな人いるんですかね(笑)。

 どうなんでしょう(笑)。私が商社のことをいまいちわかっていないので、仕事シーンをあまり描いていないんですが、篠宮は仕事はよくできるはずです(笑)。

──今後の展開は? 個人的には普通の結婚で終わらせてほしくないなという気持ちもありつつ……。

 最後は結婚式で、というのはちょっと思っていたのですが、まだまだ分からないです。でもその後を描くとなると、やはり難しさはあります。

 今は美月と篠宮は恋愛関係にあるから、単純に性生活をどうするかってところに焦点を当てて描けるんですが、結婚生活を描くとなると、ライフワークバランスとか、子どもは作るのか作らないのかとか、育児分担はとか、って、すごい難しい問題ばかりだから。いずれにせよそうしたステレオタイプのイメージを利用して、迷いながら考えていきたいです。

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