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今日もコロナのデマをラインで…家族が誤情報を信じてしまう「3つの心理」

2021/04/12
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 第三者からの情報は信じられるように思えてしまうことを、ウィンザー効果といいます。これは、多くの人が口コミを信頼する心理のことで、マーケティングなどの研究では、口コミが消費行動に影響を与えることが示されています。

「26度のお湯でコロナウイルスが予防できるという情報を、武漢の研究所に勤務している知人を通じて教えられた」というTwitterで出回った情報も、第三者による口コミの形態をとっています。

 あるものが持つ強い特徴により評価がゆがめられることを、ハロー効果といいます。ハロー効果のもっともわかりやすい例として、権威があげられます。誇大広告における「○○大学名誉教授推薦」や、「ノーベル賞の成分」などがこれにあたります。権威のある人の意見であれば、専門外のことがらであったとしても、もっともらしく聞こえてしまいます。

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 こういった心理的な落とし穴があるために、特に心に不安があるときは、わたしたちは誰でも誤情報を信じてしまう可能性があります。

 一度誤情報を信じてしまったとしても、自分を責める必要はありません。むしろ、間違いに気づけたことを喜びましょう

SNSで誤情報が増幅される「エコーチャンバー現象」に注意

 現代では、SNSで情報を得る人が増えています。その際に気を付けなければならないのが、「エコーチャンバー現象」です。

 第3章でも説明しますが、この現象は閉鎖空間内でのコミュニケーションが繰り返されることにより、特定の信念・意見などが増幅されてしまう現象のことをいいます。似た属性や意見の人に特化したコミュニケーションに偏りやすいSNSでは、大きな問題になります。

 

 予防接種に反対する人は、実生活ではごく少数であるにしても、SNSでは周囲がすべてそのような意見に思えてくるため、「予防接種は危険だ」という考えが、あたかも「誰もがそう思っている」ように感じられてしまいます。