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「メリットとデメリットを天秤にかける」のが重要
例えば、手術には麻酔の副作用や、手術の後で起こる合併症など、さまざまなリスクがあります。では、どうしてリスクのある手術を行うことを外科医は勧めるのでしょうか? それは、メリットがデメリットを上回ると考えられるからです。
一つ例をあげてみましょう。胃がんの手術では、術後に食事を一気に食べることができなくなるなどの悪い面もありますが、手術をしてがんを体から取り除けば、がんが進行したり転移したりせず、再発しない限りは胃がんによる死を避けることができます。
薬も同様です。得られる効果が、副作用によるデメリットよりもメリットのほうが大きいと考えるからこそ、内服をするのです。
病院にかかるとき、あまりこういうことを意識することはないかもしれません。しかし日常的に行われている医療行為のすべての基本に、「メリットとデメリットを比較し、メリットが上回るときのみその医療行為をする」という考え方があります。
医療を受ける側も、薬や医療行為についてのメリットとデメリットを比較する習慣を持つとよいでしょう。それを癖にしておけば、いざというときに慌てる確率が減るでしょう。